安楽寺の多宝小塔は「塔」と言っても高さ約2メートルと言う小さなもの。南北朝時代の作と見られ、同寺の収蔵庫に長く保管されていましたが、一昨年から修復が行われていました。 塔は小さいながらも非常に精巧な作りで、国の重要文化財に指定されています。また今回の修復に伴う調査により、新たに塔の中に大日如来の像が安置されていることが分かりました。 「大きな仏像では光背(こうはい=仏像の背側にある光を表した部分)に小さな仏像を取り付けることが多く、その仏像が何らかの理由で取り外され、収められたのかもしれません(県立博物館の大河内智之学芸員)」 大日如来像は小塔より古い平安時代に作られたものと推定され、文化財的価値の極めて高いものとのことです。 今回の展示ではこの多宝小塔をはじめ、有田川中流域に伝わる仏像や曼荼羅図など、初公開のものを含む60点余りの文化財を一挙展示。 かつては「阿弖川荘(あてがわのしょう)」と呼ばれ、京都の寺や高野山の荘園だった同地域。 前述の大河内学芸員は「今回の調査では多くの発見がありました。もっと調べれば、この地域はまだまだ貴重な文化財が見つかるのでは」と話しています。 (1) (2) 前の記事 [3]進む自然エネのチェック
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