Arikaina 2018/1 日本風力エネルギーに懸念
和歌山のも大丈夫?
5件の風力発電所を同時進行 日本風力エネルギー(株)に環境省が懸念

 紀の川〜有田川にまたがる範囲で巨大な風力発電所を計画している日本風力エネルギー(株)に対し、環境省が懸念を表明しました。

同社は全国各地で5件の巨大な風力発電所の計画を並行して進めており、「環境配慮等が適切に実施されないこと」が懸念されるとしています。

 懸念が表明されたのは、同社が兵庫県で計画している「(仮称)新温泉風力発電事業」の環境配慮書に対する環境大臣意見の中。

「本事業の他に5件の風力発電事業の環境影響評価手続を並行して進めようとしていることに鑑みると、本事業に求められる環境配慮等が適切に実施されないことが懸念される(*1)」としています。

また、設置予定の風力発電設備(風車)が単機で4500kWという大型のものであることから、土砂の崩落や河川への土砂流出、動植物の生息・生育環境への懸念も表明されています。

 同省の環境影響審査室によると、同社は和歌山・兵庫のほか鳥取・島根・佐賀で大型の風力発電所の計画を進めています。

特に和歌山のものは、現状の国内最大規模の風力発電所をも上回る規模のものです。

「(同一事業者が)複数の案件を進めること自体は珍しくないが、これまで実績の無かった事業者が、同じタイミングで、全部かなり大きなものを進めている。現実的ではなく、もうちょっとよく考えていただきたい(同室)」

 これらの計画は今後方法書や準備書といった環境アセスメントの手続きが進んで行くことになり、都度、知事の意見も提出されます。

同室によると調査に時間がかかる場合が多く、手続きが終了するには数年はかかる見通しとのことです。

(*1)環境省「(仮称)新温泉風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について」
env.go.jp/press/104836.html
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