Arikaina 2018/4 反対広がる巨大風車[2]

住民説明会「被害を事前に予測できるのか?」

 計画の対象となっている地域では、2月から事業者による住民説明会が開催され、3月14日には海南市で説明会が開かれました。

海南市・大窪地区には別の事業者による風力発電施設が建っており、健康被害を訴える人が出ています。

同地区の住民が「風車が回る前は健康だった人が寝られなくなってしまった。私は何ともない。個人差が大きい。事前に調べると言ったが、どうやって被害を調べるのか」

と問い質したのに対し、環境への調査を行う(一財)日本気象協会の担当者は「低周波音を含めて予測を行う」と説明しました。

しかし別の男性が「そういう形で(予測をして)風車を大窪に建てて、被害が出ている。(当時も)気象協会の人は『風車で被害は出ない』と盛んに言っていた。予測が外れているのではないか」

とさらに問い質したのに対し、気象協会は「過去に様々な実験が行われており、そのデータを元に予測する」と答えていました。

審査会「病人が出るの分かっていてやる、許されない」

 3月22日、県民文化会館で開催された環境影響評価審査会。

今回の計画の内容について審査するため、大学教授やデザイナー等9名が意見を交わしました。

ここでも低周波による影響について、とりわけ厳しい意見が相次ぎました。

「低周波音による被害は個人差がある、は逃げではないか。『お前が悪い』と言う形で書かれているのが気になる」

「病人が出るのを分かっていて、それでもかつ事業を遂行する。これは許されざる事だと思います。

大人にとっても被害があるかも分からんが、乳幼児の被害とかは全く分かっていない。

(中略)万全の体制をとって、そういう(被害が出ない)システムを作ってやると言うなら話は分かりますけれども、そうでは無いところに、非常にこの事業の欠点があると思います」

会場には約50名の傍聴者が詰めかけ、こうした発言に大きな拍手が起こっていました。

 同審査会は引き続き実施され、次回は4月27日(金)に開催される予定になっています。
[6]前に戻る
(1) (2)
次の記事 [4]前川喜平さん講演
前の記事 [3]ほど遠い「開かれた議会」
←このページのコード
有田・海南のフリーペーパー
Arikaina
2018/4号
[1]このページの一番上へ
[2]記事一覧へ
[0]トップページへ戻る
IP分散サーバーサービス