Arikaina 2018/4 「ナオミの家」移転先決まらず
「ナオミの家」移転先決まらず…関係者の努力続く

竣工当時のナオミの家。現在は周辺は更地になっています。

 谷崎潤一郎が名作『痴人の愛』を執筆した家を移築した、有田川町の「ナオミの家」。

所有者の死去に伴い土地が売却されることになり、関係者が移転先を探しているものの難航しており、2年近く経った今も決まらないままです。

「ナオミの家」はもともと兵庫県にあったものがとり壊されることになり、'15年に有田川町出身の方が同町に移築しました。

しかし移転の翌年、所有者の方が死去。

以来、文化的価値のある建物を残そうと関係者が移転先を探しています。

「まだ決まっていませんが、努力は続けます(関係者)」

 「ナオミの家」は大正12年、関東大震災から逃がれて来た谷崎潤一郎が関西で初めて住んだ家。

谷崎はここで名作『痴人の愛』を執筆し、作中にはこの家がモデルと思しき描写もあります。

家は谷崎が退去した後も住居として使われていましたが、移築に際しては、谷崎が住んでいた当時の姿に可能な限り復元されています。

有田川町へ移築後は週末には見学会が開かれるなど、一般公開も実施されていました。

参考文献=たつみ都志著「ほろ酔い文学談義 谷崎潤一郎〜その棲み家と女〜」'16年 幻冬舎
次の記事 [4]TONPEI LIVE! チケプレ
前の記事 [3]和歌山市にシェアサイクル
←このページのコード
有田・海南のフリーペーパー
Arikaina
2018/4号
[1]このページの一番上へ
[2]記事一覧へ
[0]トップページへ戻る
IP分散サーバーサービス