Arikaina 2019/7 山椒に海外から働き手
人手不足の山椒農家に、こちらも海外から助っ人
清水の「かんじゃ山椒園」 海外からの働き手を受け入れ

 有田川町・旧清水町地域を中心に、和歌山県が日本一の生産量をほこる山椒。しかし農家の高齢化が進み、人手不足が深刻になっています。

先月号ではインドネシアから働き手を受け入れている山本勝之助商店(海南市)をご紹介しましたが、清水で山椒の生産・加工を行っている「かんじゃ山椒園」では、今年から専門のサイトを使って海外からの働き手受け入れを開始。

すでに8人が清水で働いており、今後もさまざまな国から来られる予定とのことです。

かんじゃ山椒園で作業するソウ・ティンウェンさん

 かんじゃ山椒園で利用しているのは「WWOOF(ウーフ)」という、世界中から有機農家で働きたい人を募集しているサイト。

ユニークなのは受け入れ農家からは働く人に賃金は支払わず、宿泊場所と食事のみを提供するというところです。かんじゃ山椒園でも、園と、近くにある家屋を宿泊場所として提供しています。

「来られる方は、オーガニックや環境問題などに意識の高い方が多いです。海外の農業の事情など、私たちが教えるというより、むしろ教えられることが多くてそこが楽しいです(かんじゃ山椒園の永岡冬樹さん)」

 同園では今年から受け入れをはじめ、すでに8人の方が働きました。出身国も、ヨーロッパからアジアまでさまざまです。

滞在期間は1〜2週間ほどで、1日6時間ほど働き、休日には園の方といっしょに出かけたりすることもあるとか。

日本語を勉強している方が多く、会話は日本語と、かんたんな英語でやりとりされているとのことです。

 7月から園で働いている、台湾から来られたソウ・ティンウェンさんは

「台湾には山椒がないので、最初はにおいにびっくりしました(笑)。農家で働くのははじめてで、面白いです」と話していました。

「仕事を持ちながらこられる方も多いのですが、また来たいという方も多いです。私たち夫婦を『日本のお父さん、お母さん』といってくださる方もいます(笑)(永岡さん)」

これから夏の山椒の収獲時期をむかえる同園ですが、加工も行っているので、繁忙期以外もウーフを通じて人を受け入れる予定とのことです。
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Arikaina
2019/7号
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