Arikaina 2020/3 子どもあずかり、足並みそろわず
小学校での子どもあずかり 市・町により足並みそろわず

 2月27日、突如として国から発表された「全国の学校休校」。

これに対し和歌山県では、29日に仁坂知事が「全小学校で申出のあった子どもさんをあずかる」と発表。

しかし実際には市・町によって足並みはそろわず、すぐには小学校で子どもをあずからないところも出てきています。

※記事の内容は3月3日時点での情報です

 仁坂知事は2月29日付の「和歌山県庁メールマガジン・わかやま通信」で、「子どもさんをあずかってほしいという方のために、全小学校で、学校の始業時間から通例の学童保育の終了時間(通例午後6時)までの間、申出のあった子どもさんをあずかる」と発表。

しかし実際には、各市・町で対応が分かれました。

各市町村に確認しないまま、「あずかります」発表?

 有田・海南地方では学校が休校となった2日から、知事の言うとおり始業時間〜学童保育の終了時間まで子どもをあずかっていたのは紀美野町のみ。

同町も学童保育を申し込んでいない子に関しては、学童保育ではなく個別対応になっています。

有田市は1・2年生の低学年に限定しており、海南市は3日まで登校日としています。

広川町は3日は午後のみ、湯浅町は一部の学校で5日から、有田川町も5日から対応となっており、あずかってもらえない日が出ています。

 県教委によると休校開始を翌日に控えた1日時点でも、まだ県内の各市町村に確認はとれていなかったとのこと。

実際に対応できるかどうか分からないまま、知事から「全小学校で子どもをあずかる」との発表があったことになります。

「自分の子どももみなければ…」対応に苦慮

 市・町の関係者の中には

「(学童保育の)指導員も、自分の子どもをみなければいけないという方もいる。長期休暇のような体制はできず、規模を縮小しながらの対応になっている」

と話しているところもありました。

普段から学童保育に申し込んでいる子とそうでない子で、対応が分かれるケースも多くなっています。

 4日間熱が出た人以外は自宅待機という国の方針に対し、「和歌山は従わない」と反旗を翻した仁坂知事。

しかし子どもあずかりの件では、県内の市・町が知事の発言通りには対応しない(できない)事態が発生しています。

湯浅町で一番生徒数の多い小学校・湯浅小学校。普段は子供たちでにぎわう校舎も、昼間からひっそりとしたままです(3月5日撮影)。

小学校での子どもあずかり
有田・海南地方の各市町村での対応状況
(3月3日時点)

紀美野町 学童保育は実施(8時〜18時)。もともと学童保育に申し込んでいない子に関しては、学童保育では受け入れていない。各学校に個別に問い合わせてもらい、個別に対応するようにしている。
海南市 3月2日・3日は登校日とし、休校は4日からとする。学童保育は通常通り行うが、午後のみ。学童保育以外の時間帯は、申し出があれば教室などで過ごし、先生が子供たちをみる。学童保育は実施(8時〜18時)。もともと学童保育に申し込んでいない子に関しては、学童保育では受け入れていない。各学校に個別に問い合わせてもらい、個別に対応するようにしている。
有田市 学童保育を8時〜18時で実施。普段から学童保育に申し込んでいない子についても、1・2年生の子は、学童保育を利用できるようにする。学童保育で無理な場合は学校であずかり、教室などで過ごす。3〜6年生は基本自宅待機。
湯浅町 学童保育は、3日は閉所し、一部の学校では5日から8時〜延長で19時で実施。基本は学童保育であずかるが、どうしてもという場合には学校で相談を受付。
広川町 学童保育は行っているが、春休みのような体制では組めていない。3日は午後のみ、4日からお弁当持参で、8時〜18時まで。できるだけ自宅待機をお願いしている状態。普段から学童保育を申し込んでいない子に関しては、受け入れを検討中。
有田川町 学童保育は3月2日〜4日は閉所。5日から受け入れ。教室など広いスペースを使い、先生が子どもたちをみる。

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