こうした状況を何とかしようと、地元の有志でつくる「有田地域の医療の充実を求める会」では、有田地域の各市・町の議会にはたらきかける活動を開始。 今年3月・6月には各議会で意見書が可決され、県知事に送られました。 「有田地域の医療の充実を求める会」は4年前に発足。 中心メンバー18人で、議会にはたらきかけるにあたり、有田郡市で署名活動を実行。 計1672筆の署名をあつめて各市・町の議会に提出しました。 各市・町から知事に提出された意見書では、地域で安心して出産・育児ができることや、県が示している病床数の削減について、地域住民が不安を感じていることなどを訴えています。 県が4年前に策定した「和歌山県地域医療構想」では、有田地域で'25年に必要とされる病床数は、'14年の実際の病床数と比較して200床あまり少なくなっています。 また県内の各地域のうち、唯一、高度急性期(救急救命や集中治療など、高度かつ緊急性が求められる医療)の病床が「0」、つまり不要とされています。 「10分、15分がとても不安だった」 同会では、有田地域の保育所などを通じて子育て世代にアンケートを実施。 多かった意見はお産ができる医療機関が1つしかないことと、夜間・休日の小児救急への不安についてのものだったとのことです。 「子どもが急病の時、夜間・休日でも診てくれる病院が近くにほしい。和医大とか日赤とか、市内の病院まで走ることになる」 「お産は急に来る。和歌山市内まで行ったが、高速道路を走っている10分、15分がとても不安だった」 自由解答のほか項目別の質問では、有田地域でお産ができる医療機関が1か所しかないことについては、75%の人が「とても困る」と回答しています。
有田広域での病院運営「実現性低い」 分娩が中止になった有田市立病院ですが、今年3月の有田市議会で望月市長は「令和3年度中には次期病院構想を構築したい」と答弁しました。 高度急性期は和歌山市の日赤や和医大が担い、病床数は「さらなるダウンサイジング」をし、病院の運営については民間委託・指定管理などの手法を「最も目指すべき方策」としています。 また有田地域1市3町による広域での病院運営や、湯浅町にある済生会有田病院との統合についても協議はしているものの、「正直、私の感覚では実現性が低い」と話しています。 有田地域の隣の日高・御坊地域では、御坊市と近隣5町が、中核病院「ひだか病院」を広域で運営しています。 ※「有田地域の医療の充実を求める会」では、市・町議会に続き、県知事あての署名活動を開始しています。 有田郡市の方でご協力いただける方は、同会の山口さん(TEL.080・5321・8181)まで。 参考= 和歌山県地域医療構想 (https://www.pref.wakayama.lg.jp/ prefg/050100/imuka/chikiiryokoso_d/fil/0zentai.pdf) 有田市議会 令和2年3月定例会会議録 (https://www.city.arida.lg.jp/ shigikai/honkaigiroku/1002980/1002981.html) 御坊市外五ヶ町病院経営事務組合 (http://www.hidakagh.gobo. wakayama.jp/introduction/ethics.html)
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