Arikaina 2021/12 KADOKAWAが公園整備
市民に聞いていた意見はどうなる?
海南市の中央防災公園 KADOKAWAが整備へ

 海南市のわんぱく公園周辺を再開発する事業者に、出版やアニメ・ゲーム事業で知られる「株式会社KADOKAWA(以下KADOKAWA)」が選ばれました。市では「指定管理を想定し、事業者の意見を元に整備を進めていく」としています。

再開発が予定されている一帯の鳥瞰図(海南市の整備基本計画より)

アニメやゲームの施設もできる?

 KADOKAWAのホームページによると、同社は1945年(昭和20年)創業。「角川文庫」をはじめとする出版事業をはじめ、映画やゲーム・アニメなどの事業で知られています。昨年は埼玉県所沢市に、自社の新たな製造・物流拠点に加え、ミュージアムや商業施設を備えた「ところざわサクラタウン」をオープン。単なる自社施設の移転にとどまらない、まちづくりにまで踏み込んだプロジェクトとしています。

 海南市は7月〜9月にかけて再開発の計画と施設の運営にあたる事業者を募集し、11月、KADOKAWAを事業者に選定しました。市の都市整備課によると、今後、事業者の意見を聞きながら計画を整備。同社の看板事業であるアニメやゲームに関連したような施設も「可能性はなくはない」と話しています。施設の完成後は、KADOKAWAが指定管理にあたる予定とのことです。

ワークショップやパブコメもしたものの…
整備基本計画とは違うかたちに?

 市が公開している整備基本計画によると、再開発は「わんぱく公園」周辺の池を埋め立て、一帯を整備する大型計画。市では再開発にあたり、'17年に利用者アンケートと市民意見交換会、'18年にはパブリックコメントを行い、同年、市民の声を反映するかたちで整備基本計画を策定。多目的広場やアドベンチャーパーク、パークゴルフ場、バーベキュー広場などを整備するとしていました。

 同計画では「今後、民間事業者の参画が可能となるかどうかについて調査を行いつつ、管理運営の方法や民間事業者の公募条件等について、検討を続けていく」としていましたが、今回民間の事業者を選んだことで、計画とは違う形で再開発される部分もありそうです。同課によると、すでに基本整備計画にあったパークゴルフ場については建設されない見通しが強まっているとのことです。

 今回の募集要項によると再開発は今年度から設計を行い、来年度から工事を開始。'25年4月に全面的にオープンする予定となっています。

参考=海南市「海南市(仮称)中央防災公園等整備事業に伴う活用事業者公募事業の実施について」(www.city.kainan.lg.jp/kakubusho/machizukuribu/toshiseibika/CBK/result.html)/(仮称)中央防災公園整備基本計画(平成30年度策定・令和2年度変更)(www.city.kainan.lg.jp/material/files/group/23/kihonkeikaku_202006henkou.pdf)/KADOKAWAグループポータルサイト「社史」(group.kadokawa.co.jp/company/history/01.html)/ところざわサクラタウン「ところざわサクラタウンとは」(tokorozawa-sakuratown.com/about.html)/佐藤辰男「KADOKAWAのメディアミックス全史 サブカルチャーの創造と発展」(bookwalker.jp/dec96b61ed-b3bc-4f15-8651-b890c018ecb7/)

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