Arikaina 2025/1 冬にクマの目撃情報が多発
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昨年11月から12月にかけて、広川町でクマの目撃情報が多発しています。通常クマは冬眠している時期ですが、専門家によると、クマは冬眠しないこともあるとのことです。
日高町では民家の庭に出没
目撃情報が多発しているのは、広川町上津木の中村地区。広川南インターから日高町方面へと抜ける県道176号線にある「新鹿ヶ瀬トンネル」の付近です。広川町地域振興課によると、11月に町内で2回ほど、12月に日高町と広川町でそれぞれ目撃情報があったとのこと。日高町では、民家の庭に出没したとのことです。1頭ずつ、かつよく似た背格好で報告されていることから、付近で目撃されているのは同じ個体と見られています。
冬眠しなくても大丈夫?
車に乗っていて出会ったら?
広川町地域振興課によると、例年クマの目撃情報が多いのは6月から8月ごろ。同課の担当者も「この時期に見るのははじめてかも」と話していました。
県立自然博物館の佐々木歩学芸員(専門分野・鳥類・哺乳類)によると、クマはエサがあれば冬眠しなくても「大丈夫のはず」とのこと。今のところ、県内のクマが冬眠しているかどうかは確認されていないとのことです。昨年は暖冬だったため、例年よりエサがとれやすくなっているかもしれない、といったことも考えられるとのことです。
今回はトンネル付近で目撃情報が多発していますが、佐々木さんによると車に乗った状態でクマと出会った場合は、基本的には刺激しないでクマが立ち去るのを待つようにするべきとのこと。「クマにスマホを向けたり写真や動画を撮ったりするのは、クマを刺激するので絶対に止めてほしいです。もし近くに車に乗っていない人がいた場合、大変危険です。小さいクマだったとしても、力は強いです(佐々木さん)」ただしこちらが何もしていないのにクマが車に向かってくるようであれば、注意喚起のためにクラクションを鳴らした方がいいとのことです。
昨年は目撃情報が激増
県内で個体数増加か
県内ではクマ(ツキノワグマ)は絶滅危惧II類に指定されているため、狩猟は禁止されています。
広川町地域振興課によると町内では今のところ、目撃が多発している付近でもクマ捕獲用のワナは設置しておらず、仮に設置して捕獲できたとしても、山の中などへ逃がしに行くことになるとのことです。
佐々木さんによると、県内のクマの個体数は増えているとみられるとのこと。県の集計によると県内でのクマの目撃情報は10年前の'15年には年間26件だったのが、昨年は11月時点で167件と激増。おととしは48件だったため、昨年は前年から一気に3倍以上と急増しています。
参考=広川町放送 2024年12月19日 12時30分(https://machiup.linksmart.jp/web/aplay/30362/20250119_123130_255)和歌山県「ツキノワグマ」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/032600/yasei/kuma.html)広川町「タウンマップ」(https://www.town.hirogawa.wakayama.jp/kyouiku/rekishibunka/pdf/townmap.pdf)
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