「息子が受けた恐怖を思うと、涙が止まりません」 自殺した和歌山市職員の裁判、第1回口頭弁論[3]原告側弁護士「匿名でも情報提供があれば」口頭弁論の終了後、近くにある市の教育会館に遺族や支援者らが集まり、記者会見が開かれました。前述の岩城弁護士は、この日の口頭弁論で被告である和歌山市側から答弁が無かったことに触れ、「6月12日に提訴してるんで、すでに3か月半くらい経ってるんですよね。だけど実質的な答弁はできないと言うので、今、市の方は非常に苦しい立場に追い込まれていると思います。普通はですね、ブラック企業とか徹底的に争うんですけども」などとして、市側が答弁をしにくくなっているのでは、という見解を述べました。 同弁護士は今後の裁判について、良浩さんの児童館への異動を誰がいつ決めたのかについて追求していく考えを示しました。さらに、「やっぱり現役の職員で、こうだよと言ってくれる人っていうのはすごく難しいと思いますので、せめて匿名の情報ででもね、伝えてもらえたら迷惑かけないでね、追求する材料になるんじゃないかなと」と、情報提供してくれる人が現れることへの期待感も示しました。
母親「たった一人ぼっちで戦ってたんかな」啓子さんは記者会見で「息子が、今日はたぶん一緒に来ていたと思います」と述べ、裁判がはじまるにあたって、市役所の前でビラまきしたさいのことを話しました。「皆さん一生懸命、受けとってくれる方、くれない方もあったんですけど、そのうち若者2人が、またこんなもん配りやがって、みたいなことで、受けとりながらくしゃくしゃにしてカゴの中に突っ込んで中に入って行ったのを見た時に、私は駆けつけて文句言おうと思ったんやけど、その勇気も無かったんですけど、だから彼がたった一人ぼっちで戦ってたんかなということを痛感しました」 良浩さんの死後、さまざまな人の協力ではじまった裁判。次回は11月14日(金)に開かれることになっています。
▽支援団体「公務災害認定を支援する会」ホームページ 参考=和歌山市公正職務審査会「意見書(公表版)(令和7年6月6日)」(https://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/058/952/ikensyo.pdf)/Arikaina 2024/6「『息子の死を無駄にしたくない』自殺した和歌山市職員の母親が涙の訴え[1](https://arikaina.com/_article/202406/forgency-1.html)/公務災害認定を支援する会(https://akunwosien.jimdofree.com/)/Arikaina 2025/7「『全責任は尾花市長に』自殺した和歌山市職員の遺族が市を提訴[1]」(https://arikaina.com/_article/202507/wakayama-office-suicide-1.html) (1) (2) (3)
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