Arikaina 2026/8 名南風鼻の売却、ほぼ全域が黒瀬川帯[1]
地質調査しないまま売却?

広川町が進める宿泊施設の誘致 名南風鼻の売却予定地域、ほぼ全域が「黒瀬川帯」[1]


 広川町が進めている、町有地の鷹島(たかしま)と名南風鼻(なばえのはな)の売却し、宿泊施設を整備する計画。町はこれまで住民説明会などで、名南風鼻について「西有田県立自然公園の区域だが、知事の認可があれば宿舎の建設は可能」と説明してきました。しかし本紙が調べたところ、名南風鼻の売却予定地はほぼ全域が、地質学的に重要とされる「黒瀬川(くろせがわ)帯」の分布域となっていることが分かりました。県は西有田県立自然公園の公園計画で、名南風鼻について「自然探勝の拠点となる宿舎」を整備する計画としていますが、町が昨年実施した公募型プロポーザルの募集要項では、町は「地質調査は実施していない」としています。


「和歌山県高等学校理科研究会会誌 第29号(1993年6月)『黒瀬川地帯の岩石について』上山智弘」に掲載された地質図(上)と、広川町の公募型プロポーザル募集要項に示された売却予定エリアを照らし合わせたところ。今回売却しようとしている土地は、ほぼ全域が黒瀬川構成岩類などの分布域と重なるとみられます。

町「知事の認可があれば宿舎は建設できる」

 町は昨年10月、鷹島・名南風鼻の町有地を売却するための公募型プロポーザルを実施すると発表。用途は最初から「宿泊施設整備促進」とされており、県も同じ時期にホームページで「西有田県立自然公園(名南風鼻)に宿舎事業を決定しました」と発表していました。その後の公募型プロポーザルで、箱根などで高級宿泊施設を運営する株式会社強羅花壇(ごうらかだん、以下「強羅花壇」)が優先交渉権者に選定されています。町議会などでの説明によると、強羅花壇は名南風鼻に宿泊施設を建設し、鷹島はプライベートビーチとする計画です。

 今年2月には町内3か所で住民説明会が開かれました。津木中学校での説明会では、担当者が「鷹島と名南風鼻は、和歌山県立西有田自然公園というものに指定されておりまして、開発行為が制限されています。特に鷹島の規制は非常に厳しくて、原則、何も開発できません。名南風鼻に関しては、知事の認可を受ければ宿舎であれば建設できる」と説明していました。

 町は早ければ今年6月議会に売却について上程するとしていましたが、実施されておらず、まだ売却は決定していません。


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