有田と和歌山の専門家の方に、今後の展望と、あらためて今気をつけるべきことについてうかがいました。 ※吉田さんには2月26日、小山さんには2月29日にお話をうかがっています。
7月までには一旦止まる? 「7月までには、日本では一旦流行は止まるのではと考えています」そう言うのは、和歌山市で長年開業されている生馬医院の医師・小山博史さん。 小山さんは早くから、医院のホームページに新型コロナウイルスに関する情報をまとめて公開されていました。 「インフルエンザと違って、暖かくなっても活動するかもしれません。しかし気温の変化からすれば4月末に一旦波があり、その後気温が20℃以上になれば、一旦止まるのではないかとみています」 ただし仮におさまったとしても 「寒くなるとまた流行するかもしれません。定着して、インフルエンザのように周期的に流行する可能性があります」 高齢者にうつさないことが重要 病院や薬局にいくにもひと工夫 気をつけるべきこととして、小山さんが強調されるのが『高齢者にうつさないこと』です。 「中国のデータでは、高齢者にかぎれば死亡率もかなり高くなります。たとえば子どもさんにカゼの症状が出ているのであれば、高齢者とはできるだけ離れて過ごすようにされた方がいいかもしれません」 また病院や薬局に行く際も、感染リスクを減らすための工夫を呼びかけています。 「病院に行く際は事前に電話やネットで予約して、できるだけ待ち時間を減らすようにする。お薬も薬局によっては宅配してくれるところもありますので、そういうサービスの利用を考えてください」
結果は分からないが… 広がるかどうかの境目 「(有田では)おそらく今週中にはある程度メドがつくのでは、と思っています(編注・取材日は2月26日)。疑いのある患者さんは、おそらく地域には発生していません。和歌山全体でみても新たな発生はみられていないので、このまま落ち着くと思われます」 そう見通しをたてるのは、有田市立病院の感染制御室看護課長・吉田俊晴さん。 「全国的にみれば、広がるかどうかの境目だと思います。収束するかもしれませんが、一旦出れば、また広がるかもしれません。結果は誰にも分かりません。ただ言えるのは、一人ひとりが協力することで、防げる可能性は高まるということです」 熱があっても、自覚がない場合も 車に一人の状態でマスク「不要です」 マスクについて、吉田さんは 「よく一人で車を運転していてもマスクされている方を見かけますが、それは不要です。基本的には、マスクは症状がある時にするもの。症状がない時は人混みや、人が集合している時にしてください」 さらに、 「その人の『癖』ですね。口をさわりながら話すですとか、鼻をさわるですとか、そういう癖をふせいでくれるのがマスクです。その意味では、手作りマスクも十分効果があります」 手作りマスクに関しては、小山さんも「全然OKですよ」と話されています。 吉田さんはさらに、発熱について「自覚がない方もいらっしゃいます」と注意をうながします。 「厚労省が平熱の高い・低いにかかわらず、一律37・5℃以上の熱(が4日間以上続けば相談する)を基準にしていることには意味があります。平熱の高い方ですと分からないことがありますし、高齢者の方ですと、熱がなかなか上がらないこともあります」 吉田さんは1日2回(朝・夕)の体温管理を呼びかけています。「それが、周囲に広げないことにつながります」 住民、国民全員がやらないと封じ込めるのは難しい 「(感染者や地域を)隔離することは、対策としては有効です。しかし(コロナウイルスにかぎらず)感染症で隔離された患者さんには、非常に強いストレスがかかります。できるだけ日常に近い状態で過ごせるよう、私たちはさまざまに工夫しています」 取材中、吉田さんは『協力が大事』と繰り返されていました。 「感染症対策は、病院だけでどうにかなるものではありません。住民、国民全員が協力してやらないと、封じ込めるのは難しいです」
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