これを受け、町議会では同議員に対する辞職勧告決議案の動議が提出されたものの、賛否同数となり議長判断で否決に。 森谷議長は「(全員)協議会を優先した」と話しています。 誰が賛成・反対かも不明のまま 議長「人権に関わる問題」 これは6月3日に朝日新聞が報じたもので、翌6月4日には毎日新聞、産経新聞も各地方欄でとり上げました。 有田川町の6月議会議事録によると、中島議員は一昨年の日付になっていたパソコン購入代の領収書を昨年の日付に改ざんし、政務活動費で落とそうとしたとのことです。 議会の調査で不正が発覚し、辞職勧告決議案が提出されました。 しかし提案は賛成7・反対7の同数となり、最終的に議長に一任されることに。 森谷信哉議長は「人権に関わる問題となってきますので、僕の場合は議長の判断としては、今回、不問という形で、その代わりに後からの全員協議会の中でちゃんともんでもらって」として、案は否決に。議題にならないことになりました。 しかし誰が賛成し、誰が反対したのかは議事録には記載されておらず、ホームページや、議会が発行する「議会だより」でも非公開になっています。 子どもがスーパー買い物行くのといっしょ? 動議の採択に先立ち、亀井次男(つぎお)議員が発言しました。 亀井議員は「本日、この開会の前に全員協議会を開いて、それでこの話があって、本会議が終わってから、その話をしましょうという形で皆、それは了解して済んできてるはずやけど」と、全員協議会で本会議外で話すことになっていると主張。 さらに事件そのものに関しても、「政務活動費、月に6000円、12か月で7万2000円の使い道についてと、(中略)ほかの問題が起こっているところは、月に50万円、60万円の半年分で50万円でも300万円やっているような形の中で、いろいろあると」と金額の多寡を問題にし、さらに 「局長もね、普通であったら、子供がスーパーへ買物に行って、これを買ったらあかんでって、また次、握るような形を取ったんやろがよ。それをば、あかんもんはあかんと言うちゃったらそれで終わりやし」と、今回のことを議会で問題にすべきではないというような主張をしています。 刑事訴訟法では「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」「告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない」と定めています(*1 )。
傍聴もできない、議事録もない 「全員協議会」の闇 森谷議長、亀井議員が言及した「全員協議会」。 全員協議会は本会議とは別に開催されているもので、有田川町議会によると、傍聴するためには事前に申し込みが必要です。 申し込んでも議長の許可がおりなければ、傍聴することはできません。 全員協議会は議長の判断で随時開催できるため、事前にいつ開催されるのかが分からなければ完全に非公開になります。 また本会議とちがって議事録も作成されず、記録は要点筆記のみ。 さらにその要点筆記も、町に情報公開請求しなければ見ることができません。 町議会事務局によると、要点筆記を作成するために音声は録音しているものの、その音声は非公開とのことです。 本会議は公表の場?「開かれた議会」はいずこに 有田川町では本会議の議事録もホームページでは公開されておらず、議会事務局で用紙に住所・氏名・捺印、さらにどの会議録を閲覧したいかと、「閲覧の理由」を記入しなければ見ることはできません。 亀井議員はさきの議会の中で、次のようにも発言していました。 「本会議でするっていうことは町民に全部、公表するわけやろがよ」 住民の暮らしにかかわる、さまざまな問題を議論する地方議会。 しかし有田川町ではそのすべてが開かれているわけではなく、その中身を見るにもひと苦労するのが実情のようです。 *1=e-Gov 刑事訴訟法 https://elaws.e-gov.go.jp/search/ elawsSearch/elaws_search/lsg0500/ detail?lawId=323AC0000000131#855
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