絵本は0〜3歳向けの「おててちゃん」と、3歳以上が対象の「きれいせんたい みかんのまちにやってきた」と、年齢別に2冊制作。それぞれ50部ずつ印刷され、市内の図書館や児童館で貸し出されています。 子ども向けに手洗いの大切さを呼びかける内容になっており、「おててちゃん」の中で有田市の望月市長は「どこででも自発的に『手洗い』の習慣が発揮されるような環境を作ることを目的に、絵本を制作することとなりました。この絵本に触れながら、子どもたちが健康でどんな環境でもたくましく成長していくことを願っています」と、一文を寄せています。 制作費105万円 データ入稿なら印刷代10〜20万円
有田市福祉課によると、製作費は2冊あわせて105万円。国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」をあてています。105万円のうち25万円は絵本作家の方に報酬として支払われ、残り80万円は印刷代などにあてられたとのことです。 しかし本紙が数社の印刷会社で見積りをとってみたところ、一般的なデータ入稿の場合、今回の絵本と同様の条件で印刷代はせいぜい10〜20万円ほど。手書き原稿で入稿した場合のスキャンや調整代を含めても、50〜60万円ほどでした。 また今回製作されたものと同様の「手洗い」をテーマにした絵本は、さまざまなものが市販されています。本紙でネット書店最大手「アマゾン」の絵本カテゴリーで「手洗い」で検索したところ、20冊ほどがヒット。1部1000円前後で販売されていました。 絵本制作に使われた「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」は、国が地方自治体のコロナ対策を支援する目的で支出している交付金。コロナ対応のための取り組みであれば自由に使えるとされており、国では活用事例として、医療体制の充実や、医療従事者への支援などをあげています。 しかし実際には、佐賀県では「偏見・差別と断絶する意識の醸成を図る」として「誓いの鐘」の設置を計画(のちに批判を受けて取りやめ)、広島県三次(みよし)市では「自動車産業を支援するため」として公用車を購入するなど、使い道に関して各地で物議を醸す例が相次いでいます。
参考=地方創生推進事務局「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」(www.chisou.go.jp/ 前の記事 [3]城山西小を移住支援の拠点に
[2]記事一覧へ [0]トップページへ戻る |