Arikaina 2023/4 知事の友人、広告無料
かなり大きなスペースで掲載

岸本知事の友人らが開催するイベント 県の広報紙に広告を無料掲載[1]


 県が毎月発行している広報紙「県民の友」。県政に関わる情報や県主催のイベント、生活に関わる相談の案内といった情報が掲載されています。この「県民の友」の4月号に、岸本知事の友人らが4月に開催するイベントの広告が無料で掲載されていることが分かりました。県の広報課では「県が後援している」と説明しています。


「県民の友」4月号に掲載されたイベントの広告

県や市が後援しているものの…
「お金は出していない」「名義だけ」

 掲載されたのは、4月に田辺市で開催される「『どうする和歌山の文化と芸術』 知事と語ろう トーク&コンサート(以下「知事と語ろう」)」というイベント。広告によると岸本知事のほか、コシノジュンコさんやさだまさしさん、ヴァイオリニストの澤和樹さんらが出演します。

 イベントのちらしによると、県のほか田辺市とみなべ町が後援として名を連ねています。ただし、「県として予算は付けていない(県知事室)」「市としては(お金は)出していない(田辺市教委)」「名義だけで、補助金のようなものは出していない(みなべ町教委)」とのことで、題名は「知事と語ろう」とはなっているものの、あくまで民間主催のイベントとのことです。主催は「『どうする和歌山』実行委員会」という団体で、県知事室によると、当日出演される方や民間企業などにより構成されているとのことです。

本来なら80万円ほどの掲載料
知事が出演すればタダになる?

 「県民の友」に掲載された広告はちらしに準拠したデザインで、1ページの半分ほどを占める大きなもの。通常は「県民の友」に広告を掲載する場合は料金が必要になりますが、県広報課によると「知事と語ろう」の広告は無料で掲載されているとのことです。

 「県民の友」の広告枠をあつかっている(株)ジチタイアド社によると、同紙の広告掲載料は6×18センチの枠で1か月40万円。「知事と語ろう」の広告はこの倍ほどの大きさで掲載されており、本来なら80万円ほどの掲載料が必要な広告を、無料で掲載していることになります。

 同課によると「県が後援している事業なので、ほかのお知らせと同様の形で(無料で)掲載している」とのこと。たしかに同じ号の中では、手話講習会や漁港の朝市など県内の他のイベント情報も掲載されていますが、「知事と語ろう」ほど大きくはない上、どれも同じデザインで、写真もなく文字だけです。「知事と語ろう」は写真もふんだんに使われているほか、ほかとは違うデザインで、あきらかに"別格"あつかいになっています。


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