和歌山県、「財政危機警報」の衝撃 県議からは疑問の声も[1]2月1日、岸本知事が突如発表した「財政危機警報」。今のままでは、県の基金(貯金)が2年後にはなくなるとしてします。県では「やりくり」として、大型事業の見直しを相次いで発表。ただ県議の中からは、この発表に疑問を呈する声も出ています。
「1年でなぜ危機になるのか」
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海南市が造成した、県立自然博物館の移転予定地。県の方針転換で移転が不透明になったことで、造成にかかった費用(約2億円)が無駄になる可能性が出てきています。 |
財務省が毎月発行している広報誌「ファイナンス」。今年3月号に、県の財政課長・庄中(しょうなか)健太さんによる「和歌山県財政の現状と課題 〜財政見直し元年〜」と題した一文が掲載されました。庄中さんは元財務官僚で、昨年から県に出向しています。
庄中さんはその中で、昨年策定したプランでは令和8年度に県の貯金を150億円程度維持するとしていたが、その後の物価や金利の上昇をふまえて再計算したところ、2年後には貯金が底を尽くと説明しています。ただその再計算の中身については、国の試算を元に「機械的に推計した」となっており、計算に関わる具体的な数字は示されていません。
庄中さんは文中で財政悪化の原因として、県の借金とその返済についてくわしく説明しています。県では近年、公共事業を積極的に推進してきたことにより借金(県債残高)が積み上がった状態になっており、今回の試算では、これから9年でさらに150億円ほど借金がふくらむとしています。これにともない、毎年の借金返済(県債償還)の額が激増し、10年で2倍ほどになるとしています。
庄中さんは公共事業については、県民の利便性を高めるとしながらも「野放図に事業量を拡大すれば、(借金の返済に必要な)公債費負担に財源を割かれ、必要な政策を実行することができなくなります」としています。
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