Arikaina 2022/12 観光と農業だけはど素人
岸本新知事「一次産業と観光業、車の両輪に」
仁坂前知事「観光と農業だけで頑張りましょうというのはど素人」

岸本新知事のホームページ

 11月末、知事選で新しく当選した岸本周平新知事。選挙中の演説では一次産業(農業、林業、水産業)に力を入れると繰り返し、「一次産業と観光業を車の両輪に」と訴えました。しかし仁坂前知事の見方は、少し違っていたようです。

「私は、農業、林業、水産業の第一次産業を、思い切って、これまで以上に力を入れて参りたいと思います。第一次産業と新しい観光産業を車の両輪にして(11月10日、出陣式にて)」

「一次産業と観光産業でね、車の両輪で、めちゃめちゃ面白い。めちゃめちゃ楽しい県になりますよこれ(11月13日、和歌山市にて)」

「一次産業に力を入れます。そしてもうひとつの車の両輪のひとつは、観光業です(11月15日、高野町にて)」

 選挙戦の中で、何度も「一次産業と観光業が車の両輪」と訴えた岸本新知事。一次産業では後継者の問題が大変であることや「6次産業化で、農産物とかを商品にする。商工連携と言いまして、商工業者も一緒に発展できる(11月13日、和歌山市での演説)」といったことを語り、観光業では南紀白浜空港が民営化により乗客が増加しているとして、「(観光客を)北へ持ってこれるじゃありませんか。それはもう、熊野・高野と言うだけで来ますから。すごいチャンスです(11月15日、高野町での演説。カッコ内本紙)」などと語りました。岸本新知事は、出馬した昨年の衆院選でも「食料安全保障の観点からも、和歌山の農業、林業、水産業を育成し、応援していきます」「企業誘致よりも人誘致」といったことを訴えていました。

「総所得中の農業所得は2%」

 一方、退任を控えた仁坂知事は11月28日の記者会見で、朝日新聞の「今回の知事選は3人の候補者全員が、一次産業について結構触れている印象がありました。知事としては4期16年、非常に一次産業に力を入れてこられたと思うのですが、成果と課題というところ、どういうふうに考えていますか」という質問に対し、「和歌山県は、農業の特化係数が結構高い。総所得中の農業所得が、全国では1%強しかないが、和歌山県は2%ぐらいある。そういう意味では高いのですが、でも2%です」とし、任期中に『おいしい健康わかやま』などで農業で所得が上がった人が結構いたとした上で、「よく、行政のど素人みたいな人が、そんなことないのに、仁坂さん、和歌山はいろいろ期待してもあかんから、観光と農業だけで頑張りましょうというふうに、アドバイスをしてくれる人がいるわけです。これは、はっきり言うと間違いです。なぜならば、さっき言ったみたいに、全部は比率で考えないといけない」と回答していました。

 仁坂知事の任期は、12月16日まで。岸本新知事はホームページで、12月19日に初登庁するとしています。

参考=YouTube衆議院議員 岸本周平 公式チャンネル「和歌山県知事選挙ダイジェスト選挙戦初日必勝祈願〜出陣式」(www.youtube.com/watch?v=eDp5IqbtP1I)/YouTube衆議院議員 岸本周平 公式チャンネル「和歌山県知事選挙ダイジェスト選挙戦6日目高野町」(www.youtube.com/watch?v=8ba0eyNWX-s)/YouTube衆議院議員 岸本周平 公式チャンネル「和歌山県知事選挙ダイジェスト選挙戦4日目和歌山市(宮小学校〜四箇郷小学校)」(www.youtube.com/watch?v=36AvSsf2Fpg&t=217s)/日本経済新聞「和歌山次期知事の岸本周平氏『農林水産と観光業、両輪に』」(www.nikkei.com/article/DGXZQOUF271ND0X21C22A1000000/)/国民民主党第49回衆議院議員総選挙特設サイト「岸本周平」(election2021.new-kokumin.jp/candidates/kishimoyo-shyuhei/)/和歌山県「知事記者会見 令和4年11月28日」(www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/04/11/d00211964.html#d221128_qa)/和歌山県知事岸本周平officialwebsite「12月19日に初登庁いたします! 午前9時30分より登庁式開催」(shuheikishimoto.jp/news/14467/)


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