Arikaina 2025/4 県、予算編成のために基金をとり崩し[4]
近い内に自転車操業?

県、予算編成のために基金をとり崩し 知事「尋常じゃない状況」[4]


「歳出カットや増税で財政再建はできない」
"危機"の中でも大型予算

 知事は玄素議員の質問に対し、財政は「尋常じゃない状況」と述べる一方、「苦しいやりくりの中ではありますけれども、未来への投資、これをやっていかなければならないと考えております」とも述べています。実際に「財政危機警報」が発出された'23年度以降も、昨年度は総額6280億円と過去最大の予算規模に。今年度も6138億円と昨年度よりは減少しているものの、過去3番目に大きい規模の予算となっています。

 知事は「財政危機警報」の発出後、'23年2月の県議会で前述の山田方谷にふれ、「御著書の中で、歳出カットと増税をしても財政再建はできないんだと。むしろ、領民が幸福になって明るく暮らせるように、藩政の王道を実施すれば、おのずと財政も再建されるんだと述べておられます」と答弁しています。


 山田方谷の出身地である岡山県高梁(たかはし)市のホームページによると、方谷は藩の財政を立て直すため、藩主に倹約令を提案。その内容は衣服は綿のみ、飲食は一汁一菜、さらに期限を定めて藩士の給与を減らすといった厳しいもので、藩主も自ら綿服・粗食で通し、方谷も自身の給与を一部返上していました。

 こうした努力や方谷の施策により、藩の財政は劇的に改善。方谷は後に「藩の倉には米が積みあげられたのに、わが家の生計は窮屈なのは皮肉だ」といったことを家計簿の裏に記していたとのことです。

 知事は前述の玄素議員に対する答弁の中で、自身の給与についてこう述べています。「今私知事と副知事の給与は6%カットさせていただいておりますけれども、大きな歳出カットをする場合には、6%では足りない、1割カットしなきゃいけない事態が来るかもしれませんし、(中略)議場の先生方にもですね、同様のご検討をお願いする場合があるかもしれない、ぐらいの危機感を持っているところでございます」

※記事中、予算の額は○億円以下は四捨五入して記述しています。

参考=和歌山県議会 令和7年3月4日(火) 濱口太史(自由民主党県議団)議員(https://kengikai-tv.pref.wakayama.lg.jp/data1SMP/20250305113022/vod.m3u8)/YouTube 和歌山県公式チャンネル「20230201知事記者会見(当初予算案)」(https://www.youtube.com/watch?v=iHdom4Y13ck&t=928s)/Arikaina 2023/4「和歌山県、『財政危機警報』の衝撃 県議からは疑問の声も[1]」(https://arikaina.com/_article/202304/financial-crisis-1.html)/和歌山県知事 岸本周平 official website「『財政危機警報』を出しました。」(https://shuheikishimoto.jp/blog/14492/)/高梁市公式ホームページ「山田方谷 大河ドラマ化を目指して」(https://www.city.takahashi.lg.jp/soshiki/2/hokoku-challenge.html)/和歌山県「令和7年度当初予算の概要」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/010400/d00219362_d/fil/03.pdf)/和歌山県「新中期行財政経営プラン」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/010200/d00210105.html)/和歌山県議会「令和5年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/gijiroku/d00213399.html)/和歌山県議会 令和7年3月5日(水) 玄素彰人(自由民主党県議団)(https://kengikai-tv.pref.wakayama.lg.jp/data1SMP/20250305193636/vod.m3u8)/総務省「令和5年度地方公共団体の主要財政指標一覧」(https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/toukei/02zaisei07_04000131.html)/新潟県「経常収支比率とは?(財政構造の弾力性)」(https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/358953.pdf)/総務省「地方公共団体の財政の健全化|健全化判断比率の算定」(https://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/kenzenka/index2.html)/高梁市公式ホームページ「山田方谷を語る 七 財政改革に入る」(https://www.city.takahashi.lg.jp/soshiki/2/yamadahokokustory7.html)/下関市立大学論集 第48巻 第1号(2004年5月)「松山藩における山田方谷の藩政改革 ー組織論の革新の視点からー(https://ypir.lib.yamaguchi-u.ac.jp/sc/1652/files/140624)/馬田哲次「儒教の経済学一山田方谷を中心として」(https://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/9140/files/164985)

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