県議会は6月、県職員OBを新たな監査委員に選任する人事に同意しました。総務省では'05年に策定した指針の中で、監査委員について「地方公共団体外部の人材を登用することを原則とする」としています。監査委員は地方自治法にもとづき設置されるもので、県では県議会議員2名と弁護士1名、そして今回選ばれた職員OBの4名が選任されています。 現在の監査委員制度は1947年にスタート。しかし職員OBが監査委員になることについては「当該団体の事務に精通しているということなどの長所があるものの、一方で身内に甘いのではないかという批判もある」などとして、1997年の法改正により「職員OBは1名まで」という制限がもうけられました。 総務省はさらに'06年に策定した「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」の中で、「当該地方公共団体の常勤の職員であった者の監査委員への選任は特にその必要がある場合以外には行わないこととし、地方公共団体外部の人材を登用することを原則とする」とし、原則として職員OBを監査委員に選任しないよう呼びかけています。 全国の市民オンブズマンでつくる「全国市民オンブズマン連絡会議」が'09年に実施した調査によると、全国47都道府県のうち、職員OBを監査委員にしていないのは18道県。平成27年の総務省の調査では、都道府県の監査委員のうち、当該地方公共団体のOBが占める割合は14・4%となっています。 かつてはIRカジノ担当の理事今回選任されたOBは企画部長をつとめ、その後は県が誘致を目指していたIRカジノを担当する理事に就任。'21年12月の県議会では、県の職員が事業者と一緒に金融機関を訪問していたことについて聞かれ、「県が融資の保証を行っているような印象を与えることはないと考えている」「金融機関が独自に冷静な審査をするものと考えている」などと答弁。 また同じ議会では、IRカジノに関連して県職員が県議会議員と一緒に企業訪問をしていたとして、「貸金業法違反ではないか」という質問もありましたが、理事は「まったく関係ない」と答弁。訪問した議員は誰なのか、との質問にも「個々の議員の政治活動に関することですので、私から答弁することは控えさせていただきます」などと答えていました。 参考=和歌山県「令和7年6月県議会定例会付議追加(その3)予定案件」(http://wave.pref.wakayama.lg.jp/news/kensei/shiryo.php?sid=42901)/横浜市「監査委員について」/(https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/gyosei-kansa/kansa/kansaiin.html)/柏市「監査委員」(https://www.city.kashiwa.lg.jp/kansa/shiseijoho/inspection/kansain.html)/総務省「監査委員制度の沿革(地方自治法制定前)」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000219870.pdf)/総務省「第29次地方制度調査会第6回専門小委員会 次第」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/chihou_seido/singi/No29_senmon_6.html)/神奈川県 政策研究・大学連携センター〜シンクタンク神奈川〜「平成22年度調査研究報告」(https://www.pref.kanagawa.jp/documents/22484/776440.pdf)/総務省「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」(https://www.soumu.go.jp/iken/pdf/060831_1_bt.pdf)/全国市民オンブズマン連絡会議「監査委員アンケート調査結果」(https://www.ombudsman.jp/taikai/09kansa-1.pdf)/総務省「監査制度関連資料」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000379696.pdf)/Arikaina 2022/1「IRカジノの資金のため、県の職員や議員が企業訪問?県議会で問題に」(https://arikaina.com/_article/202201/casino-1.html)
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