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Arikainaメールマガジン 2025/6号(2025/6/10発行)


Arikainaメールマガジン 2025/6号

皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com


▼ふるさと納税で産地偽装の業者 湯浅町でも返礼品を取り扱い
https://arikaina.com/_article/202508/mislabeling-1.html

▼拒絶された「ワカヤマソウリュウ」の商標、出願人が特許庁に意見書
https://arikaina.com/_article/202508/wakayama-souryu-1.html

▼「若者は夜に自治会の作業を」海南市議会が意見交換会
https://arikaina.com/_article/202508/jichikai-1.html

▼クラウドファンディングで567万円 歓喜寺の上品堂、修繕工事が完了
https://arikaina.com/_article/202508/kangiji-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202508/kiji-index.html


メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。
今月は、有田市の会社による産地偽装について大きく記事にしました。

この産地偽装の件は有田市の会社ということもあり気にはなっていたのですが、なにせ現場は長野県であり、とり上げようか少し考えていました。しかし廃業するというニュースが飛び込んできて、調べてみると湯浅町の返礼品もあつかっていたということで、記事にしてみることにしました。

日本グルメ市場(以下グルメ市場)は須坂市や湯浅町以外でも返礼品をあつかっていたのですが、記事でふれたプレスリリースはネットで検索すればすぐ出てきますので書きますと、同社の「ふるさと納税登録自治体」として名前が挙がっているのは須坂市・湯浅町のほか、宮崎市と土佐市です。さらに「他18自治体」と書かれてますので、どの程度の取り扱い量か濃淡はあるでしょうか、結構な数の自治体の返礼品に関わっていたはずです。

記事にも書きましたがグルメ市場はなぜこういうことが起こったのかについて、以前はどこ産という基準がなかったため、基準ができたあとも徹底できてなかったみたいに言っています。それが言葉通り事実だとすれば、他の自治体でも同様のことがあってもまったく不思議ではありません。

須坂市は損害賠償請求する構えを見せているのですが、そのあとで廃業すると報道が出たにも、何だかなあというタイミングです。確認できた報道は5/21で私が電話したのが6/6、その時点ですでに結構従業員がいなくなっているとのことでしたから、もうちょっと前から廃業に向けて事を進めておられたのではないでしょうか。

もし廃業ではなく破産となりますと、須坂市は賠償請求してもほとんど「取れない」のではないでしょうか。私も別に会社整理にくわしいわけではありませんが、破産ではなくとも(できなくても)廃業の場合でも、賠償してもかなり限定的なものになる可能性があると思います。

偽装が発覚したのが3月で、湯浅でもそこからは取り扱いはやめているとしています。仮にほかのグルメ市場と関わっていた自治体もそうしていたとしても、つい最近までいろんなとこと取り引きしてたわけですからキャッシュフローはあったはずです。手持ちのお金がまったくなかった、ということはないはずです。

それが偽装が発覚すると、補償の話とかする前に廃業に向けて進めるというのでは、「他の自治体でもやっていたのでは」とより強く疑われても仕方ないと思います。

今回の件ではグルメ市場側だけでなく、須坂市側もかなり批判されています。記事では偽装のことに絞ってちょっとはしょってるのですが、須坂市は偽装があることが分かってからも返礼品の受け付けを続けていたのです。まあ、批判されて当然です。

記事には間にあわなかったのですが、総務省が須坂市をふるさと納税の対象から2年間除外にするという方向だという報道も出ていました。本当だとすれば、その判断にはこの市の対応もかなり影響していたとしてもおかしくありません。

総務省も、市にとってかなりダメージになるのは分かってるはずです。須坂市は人口が約5万人・予算が約300億ということで、ここらですと紀の川市と似た感じの規模ですが、2年間ふるさと納税ができなければ50億円ぐらいの収入減になります。すでに30ぐらいの事業を先送りするとしていますが、おそらくそれだけでは済まない影響が出るはずです。

で、もし湯浅町が同じようなことになった場合、影響の度合いは須坂市どころではありません。なにせもう歳入の1/4近くがふるさと納税になっています。事業の先送りどころかまるまる中止とか、下手したら市民生活に影響が出るというレベルになるかもしれません。

本来だったら湯浅だけでなく、グルメ市場が返礼品をあつかっていた自治体は、過去の返礼品に問題がなかったかどうかはっきりするまで、ふるさと納税の受け付けをストップするべきではないでしょうか。もちろん収入減にはなりますが、もし後で偽装があったことが分かったら大変なことになります。

あと農水省もグルメ市場に立ち入り検査して報告書も提出させているわけですから、他の自治体で偽装がなかったのかどうか、判断する材料は持っているはずです。なのにあったとも、なかったとも言っていません。

これはどういうことかと考えますと、そもそもこの偽装が発覚したきっかけは昨年農水省が調査したからなのですが、なぜ農水省が調査したのかについては、須坂市も3月の説明会で「経緯は分からない」と言っています。

まあシャインマスカット食べただけで「これは山形産」とか分かる方もいらしゃるのかもしれませんが、それだけで農水省が動くことにはなかなかならないのではないかと思います。現実的には、どこかからの通報と考える方が自然ではないでしょうか。

もしそうだとすれば農水省が何も言わないのも「そういうことなのかな」という気がしなくもないですし、会社が廃業しようが、後からまた追加で発覚するということも十分あり得るのではないかと思います。もしそうなったら今の状況、つまりグルメ市場が関わっていたのに今だにふるさと納税を受け付けている自治体は、もう目もあてられないことになるのではないでしょうか。

須坂市も3年後にふるさと納税を再開したとしても、以前の水準に戻るかどうかは分かりません。もし他の自治体でこれから発覚した場合も同様、もしくはさらにきついことになるのではと思います。


ここまでの書きっぷりで薄々お感じかもしれませんが、私はそもそもこのふるさと納税という制度自体、あんまいいと思っていません。和歌山はあきらかに恩恵こうむってる方だとは思いますが(県内でもマイナスになっている自治体もあるようですが)。

本来、自治体は人口増やすなり企業誘致するなり、何らかの方法で産業を富ましてそれで収入を増やす、というものだと思います。あくまで黒子として市内や町内が栄える仕掛けをつくっていくのが本来の役割ではないか、と思うわけです。

しかしこのふるさと納税という制度は自治体が前面に出て、表向きは寄付となっていますが、実質商売してるようなもんです。去年総務省がふるさと納税でポイントを付けるのを禁止するといったときに、楽天の三木谷さんが「納税者の小さな楽しみを奪わないで欲しいと心から思っています」とXでコメントされてましたが、この言葉が現状をよく現しているのではないかと思います。

つまり「ふるさとを応援したいという気持ちを損ねないでください」ではなく、「納税者の小さな楽しみを奪わないでください」なのです。今回の須坂市の件でどうだったかは分かりませんが、たとえ産地偽装の品であっても「納税者の小さな楽しみ」であれば、おいしければどこ産でも別に構わないという方も結構いらっしゃるのでは、という気もします。

湯浅みたいに歳入の1/4ぐらいを占めるまでになりますと、こうなるともはや町役場や市役所は、地域振興や住民へのサービス提供よりも、寄付という名の商売をするのが実質的な仕事、みたいになっていくんじゃないでしょうか。いくら歳入が増えるとは言え、これでは「地域を応援しようという人を増やす」と言うより「買ってくれる人を増やす」、つまりビジネスそのものになっていきます。

実質カタログショッピングみたいになっているという批判は前からありますし、その中で例の泉佐野市と国のバトルみたいな問題もありました。グルメ市場の場合は産地を偽装していたわけですが、別に産地を偽装していなくても、現状は制度の趣旨を偽装して商売しているようなものであり、私はもうこういうのはそろそろ止めて、本来の自治体のあり方(と私が思う)黒子に徹して地域の安定や繁栄のために仕事をする、という方向に戻るべきではないかと思います。


と言うわけで、今月はこれぐらいにしておきます。実は須坂市の当初予算の概要を見てますと「ふるさと納税に頼らない財政運営の実現」みたいなことを書いてあって、何とも皮肉だなと思うと同時に、須坂市みたいにふるさと納税でかなり「儲けている」自治体側もそういう問題意識はお持ちなんだな、とも思いました。

あくまで建前は「寄付」なわけですし、寄付が安定財源になるというのはそもそもおかしいわけです。消費者からすれば実質安く買える、つまり「小さな楽しみ」だったとしても、それは本来は民間のどこかの利益として計上されていたものが失われている(だから安く買える)という見方もできるのではないでしょうか。

どんなビジネス、物販にしてもサービスにしても、何かしらお金を出してもいいと思ってもらえる価値のあるものを提供し、その価値に対してお金を払ってもらってるわけです。その価値が市場より低くなる(実質安く買える)ような制度が一般的になるというのは、経済全体からしたら、私はあまりいい影響はもたらさないのではという気がします。

寄付をすればするほど控除されるわけですから、寄付をする(購入する)人が増えれば増えるほど、国や自治体が本来とれるはずの税収の総額は少なくなっていくことになる、のではないでしょうか?まだやる人が少数派だから成り立っている制度であり、ほとんどの国民が日常的に使うようになれば経済にも大きな影響を与えることになるのではないでしょうか。

たとえば食品なら冷凍できるものは冷凍しまくって、日々の食品の買い物はほとんどふるさと納税で「買う」のが一般的になったとします(ホントにそういう方もいらっしゃるかもしれませんが)。家計はかなり助かるかもしれませんが、スーパーやコンビニ、ドラッグストアにとっては大打撃です。

そしてそれらの食品は普通に市場で流通していれば、卸や小売にも利益をもたらしていたはずですし、それらの売上が積み重なって税金も収められていたはずで、それだけの価値があるはずです。寄付で「買う」場合は、そうした価値は飛んでいってしまうことになります。

まあ実際安く買えるのは嬉しいですし、私もこの前楽天で(笑)備蓄米買おうとしましたが、売り出し時間前からスマホ握り占めて待機したものの、案の定すぐ無くなって買えませんでした(爆)。

それ以来備蓄米バトルには参加していないのですが、どことは言いませんがここらのドラッグストアでも、6月中旬から販売する予定ですみたいに仰ってたとこはありました。もう少しすれば、ここらでも買えるようになるのではないでしょうか。

ただやっぱり備蓄米の効果なのか、この前スーパーで10kg6,500円ぐらいで買えました。5kgなら3,200円ぐらいです。最近じゃアメリカのお米でも5kg3,600円とかしますし、ほかのお米はどれも4,500〜5,000円ぐらいの相変わらずの価格でしたので、備蓄米の登場で安くするとこがあったのかもしれません。

そんな感じで私も安ければ飛びつく一小市民であり一消費者に過ぎませんので、別にふるさと納税やってる人たちを非難する気はないのですが、でも私はふるさと納税はやったことないですし、たぶんこれからもしないと思います。ではまた来月〜

※次号は7月10日発行です。

有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
https://arikaina.com
arikaina@gmail.com
〒649-0111 和歌山県海南市下津町方187-10

参考=
訳ありフルーツで農家を応援する日本グルメ市場が加工品を続々開発:マピオンニュース
https://www.mapion.co.jp/news/release/000000001.000137225-all/
ふるさと納税返礼品〝産地偽装〟問題 市が損害賠償を検討 業者側が〝故意に偽装〟したと判断【長野・須坂市】(abn長野朝日放送) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed1fa3355d89b6f455d2dea5ee4e4b0f3de2678b
【怒り】「須坂市の名前を失墜させた」ふるさと納税シャインマスカット偽装問題 業者の社長「和歌山の市場にまかせっきりに」 市は把握後も取引…市長「反省している」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=BZffC6ynPmM
ふるさと納税、2市町を除外へ 長野・須坂市と岡山・吉備中央町(共同通信) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/39cff8936622fd0f378825e6534adf072844882e
統計情報・資料|紀の川市
https://www.city.kinokawa.lg.jp/011/toukei.html
令和7年度予算書|紀の川市
https://www.city.kinokawa.lg.jp/008/2025-0217-1036-58.html
人集まる「品」模索「脱ミカン」も 収支で明暗、和歌山ふるさと納税 [和歌山県]:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASR3J7H2GR35PXLB00J.html
Xユーザーの三木谷浩史 Hiroshi (Mickey) Mikitaniさん: 「ポイントは「弊社負担」でお手伝いさせていただいております。」 / X
https://x.com/hmikitani/status/1807628548884275319
楽天・三木谷氏、ふるさと納税ポイント付与禁止に声明 署名活動に賛否、楽天ポイント「改悪」との整合性問う声も: J-CAST ニュース【全文表示】
https://www.j-cast.com/2024/07/01487421.html?p=all
須坂市 2025年度当初予算の概要について
https://www.city.suzaka.nagano.jp/material/files/group/4/2025tousyoyosannogaiyou.pdf

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