Arikaina 2017/2 東燃工場 存続に暗雲か[3]

合併前の事故
工場長「心底申し訳ない」

 1月23日、事故を受け、有田市で開かれた東燃の記者会見。

和歌山工場の加藤英治工場長は「合併を控え、工場の統廃合が進むと言う時期にこうした事故が起こったことについて、どうお感じになっているか」との本紙の質問に

「和歌山工場は当社で最も古い工場であり、70年間、地元の方に支援され、安全最優先で創業して来ました。

地元の方にご質問にありますようなご心配をおかけしていることを、申し訳ないと思っております。心底思っております」と答えていました。

 企業合併まであとわずかというタイミングで、連続して起きた工場火災。

原因究明はもちろんのこと、撤退となれば多大な影響の出る工場の存続が、今後大きな問題となっていきそうです。

避難「指示」なのに…
少なかった住民避難

 2回目に発生した火災で、有田市では「避難勧告」より緊急性の高い「避難指示」を発令。

市では事故発生時、車で対象地域を巡回し、避難指示が出ていることの周知を行いましたが、実際に避難したのは対象となる1281世帯・2986人のうち、最大でも268世帯・568人に留まりました。

「(お店も)開けたままでした。まあ、大丈夫ちゃうかなと(工場近くのお店)」

避難指示は近年の台風や水害被害を受け、昨年12月から「避難指示(緊急)」と呼び名が変わったばかりでした(*6)。

*1 「東燃ゼネ社長「製油所の統廃合、速やかに検討」日本経済新聞 '16/8/31
*2*4 「JX・東燃ゼネ、統合へ最終合意。まずは製油所の再編から?」 日刊工業新聞 '16/9/4
*3 「JXと東燃ゼネ、経営統合後に待ち受ける難題」東洋経済オンライン '16/12/4
*5 「さまよう石油再編 官僚たちの晩秋」 週刊エコノミスト '16/10/18
*6 「『避難準備情報』の名称変更について」内閣府 '16/12/16
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