Arikaina 2023/4 湯浅町で能上演
湯浅町で能を上演 今年中に実現へ

国宝『明恵上人樹上坐禅像』(鎌倉時代) From Wikimedia Commons,Public Domain

 湯浅町は広報誌「広報ゆあさ」の4月号で、今年、町内で能の上演を開催することをあきらかにしました。同町ゆかりの明恵上人の生誕850年記念事業として開催されるもので、上人にちなんだ演目が上演されることになっています。

 明恵上人は有田川町出身で、鎌倉時代に活躍した高僧。若き日に湯浅をはじめ有田各地で「自らの右耳を切り落とす」といった厳しい修行を重ねたのち、京都で高山寺を開きました。「御成敗式目」で有名な時の鎌倉幕府の執権・北条泰時も、明恵の教えを受けたと言われ、「あるべきようわ」という、「どのようにあるべきか」を自身に問いかけその答えに沿うように生きる、そうした教えで知られています。上人が修行した有田の各地域には弟子が卒塔婆を建てており、現存するものは「明恵紀州遺跡卒都婆」として国の史跡にも指定されています。

 今年は上人の生誕850年にあたることから、湯浅町や広川町で記念事業が実施されることになっています。能の上演もそのひとつで、上人が修行した地のひとつである湯浅町栖原(すはら)にある「施無畏寺(せむいじ)」の境内に舞台を組み、上演されるとのことです。湯浅町の歴史文化財係によると、時期はまだ未定ですが今年中には上演されるとのことで、「できれば寒くならないうちに(同係)」とのこと。現地に観客席をもうけるか、もしくは映像による中継という形で、広く一般の方にも公開したいとしています。

参考=湯浅町「広報ゆあさ 2023年4月号(Vol.581)」(www.town.yuasa.wakayama.jp/uploaded/attachment/6995.pdf)/高山寺「明恵上人樹上坐禅」(https://kyoto-kosanji.jp/treasure/02/)/有田川町「明恵上人」(www.town.aridagawa.lg.jp/top/kakuka/kanaya/7/2/1/1281.html)/世界遺産 栂尾山 高山寺 公式ホームページ「明恵上人」(https://kosanji.com/myoeshonin)/【金峯山長谷寺】信州さらしな長谷観音「未来の御成敗式目が生まれる日まで」(www.hasedera.net/diary/3245)/コトバンク「北条泰時(ほうじょう・やすとき)とは? 意味や使い方」(https://kotobank.jp/word/%E5%8C%97%E6%9D%A1%E6%B3%B0%E6%99%82-132178)


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