Arikaina 2011/4 避難ごくわずか…[4]
「大変だ。津波がやつて来るに違ひない。」

 しかし、村ではまだ祭支度の真っ最中。

なんとかして、この大変な事態を知らさなければーー

五兵衛は、大きな松明を持って家を飛び出します。

「もつたいないが、これで村中の命が救へるのだ。」

 取り入れ前の稲むら(稲の束)に火を放つ五兵衛。

「大変だ、火事だ」急いでかけつけた村人たちが通った後に、大津波がーー

村は跡形もなくなってしまったものの、

五兵衛の元にかけつけた村人は命をとりとめることができました。

 「私らの子供の頃もそうやったけど、当時の人たちにとっては、稲むらはお金そのものやったはずや」

そう話すのは広川町中央公民館の元館長で、梧陵や広川町の歴史に詳しい清水勲さん(81)。

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2011/4号
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