しかし、村ではまだ祭支度の真っ最中。 なんとかして、この大変な事態を知らさなければーー 五兵衛は、大きな松明を持って家を飛び出します。 「もつたいないが、これで村中の命が救へるのだ。」 取り入れ前の稲むら(稲の束)に火を放つ五兵衛。 「大変だ、火事だ」急いでかけつけた村人たちが通った後に、大津波がーー 村は跡形もなくなってしまったものの、 五兵衛の元にかけつけた村人は命をとりとめることができました。 「私らの子供の頃もそうやったけど、当時の人たちにとっては、稲むらはお金そのものやったはずや」 そう話すのは広川町中央公民館の元館長で、梧陵や広川町の歴史に詳しい清水勲さん(81)。 [5]続き [6]前に戻る (1) (2) (3) (4) (5) (6)
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