Arikaina 2015/3 和歌山と宮城、何が違った?[4]
「これで大丈夫」で大丈夫?

 海南の浮上式防波堤も、当初は想定される津波が来ても大丈夫とされていました。

しかし国の想定見直しにより、「浮上しなくなる恐れがある」という結論に。

 「ゼネコンの方は『理論的には大丈夫だ』とおっしゃるのですよ。理論的に大丈夫だから本当に大丈夫なのか。

今まで全部理論的にやってきたわけでしょう。

ですから、(今回の震災被害を受けて)理論的に大丈夫だから安心だということにはならないのですよ('13年の記者会見にて村井知事、カッコ内本紙)」

 20万人以上の犠牲者を出した'04年のスマトラ島沖地震。

当時、調査団の一員として現地を訪れた元東大准教授の都司嘉宣さんはこう記しています。

「非常に恐ろしい巨大な津波が来たら、津波対策なんて話にならないのです。

(中略)自然災害の中には、こういう恐ろしい災害がある」

 震災後に国も南海トラフ地震の想定を見直し、和歌山でも改めて様々な防災計画が進められていますが、

地震や津波に注意する前に、「これで大丈夫」そんな言葉や気持ちにまず注意しないといけないーーのかもしれません。
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2015/3号
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