前述の配慮書では、事業範囲とは別に「風力発電機の設置予定範囲」を想定。 住宅地からは、最低500メートル離して風力発電機(風車)を設置するとしています。 「500メートル離れることで音が聞こえなくなり、騒音問題もクリアされるという認識です(日本風力エネルギー(株)の担当者)」 しかし海南市では7年前、旧下津町で風車から約1キロメートルの集落で、騒音被害や耳なり・不整脈を訴える事例が発生。 集落の住民を診察した医師の汐見文隆さんは著書の中で、風車から600メートルの距離で頭痛や吐き気の症状を訴えた静岡県の女性の例も挙げています(*2)。 現時点では、風車から発生する騒音や低周波音(聴こえない程の低い周波数の音)と健康問題の関係性については専門家の間でも意見が分かれており、 環境省も特に低周波については「明らかな関連を示す知見は確認できない」という立場をとっていますが(*3)、風車周辺の住民から苦情が相次いでいるのも事実です。 日本風力エネルギー(株)では、「予定範囲の区長さんには挨拶を済ませています。ご要望に応じ、住民の方への説明会も開催していく予定です」と話しています。 (*1)日本最大出力の「新青山高原風力発電所」運転開始について awf.co.jp (*2)「風力発電公害追求」汐見文隆著、2010年 (*3)環境省「風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会報告書(案)『風力発電施設から発生する騒音等への対応について』」 www.env.go.jp/press/files/jp/103596.pdf (1) (2)
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