Arikaina 2018/12 日の岬で風車が折れる事故
大丈夫だったはずが、折れてしまった?
真ん中からぽっきり…日の岬で風車が折れる事故

 9月、和歌山をはじめ全国で猛威を奮った台風20号・21号。

県内でもさまざまな被害をもたらしましたが、灯台で知られる日の岬(日高町)では、風車が折れ、倒壊する事故が発生。

白馬でも風車の羽が折れる事故が起きています。

台風で折れ曲がった風車(日高町)

 折れたのは、日の岬の灯台近くにある「日の岬ウインドパーク風力発電所」の風車1基。

事業者であるアドエコロジー株式会社の資料(*1)によると、高さ78m、ローター直径は82m、出力1990kWの風車で、8年前から運転を開始しています。

 風車が折れたのは台風21号が徳島県に上陸した9月4日とみられ、ほぼ真ん中からぽっきりと折れ曲がり、ブレード(羽)もろとも真下に落下しています。

台風当日は風車に毎秒52・2メートルもの猛烈な風が吹いたと推計されているものの、風車の座屈耐力風速(風車が折れ曲がらずに耐えられる風速)は毎秒63・09メートルと計算されており、耐えられるはずだった風力で折れ曲がってしまったことになります。

また、日の岬から少し北に上がった日高町〜広川町にかけての白馬山脈に設置されている「白馬ウインドファーム」でも、風車のブレードが折れる事故が発生しました。

経産省、全ての風力発電の緊急点検実施を指示

 台風21号に先立つ20号では、淡路島で風車が倒壊する事故も発生しています。

経産省では相次ぐ事故を受け、11月26日にワーキンググループを開催。

全国すべての事業用風力発電設備について緊急点検を実施し、安全性の確認されていない風力発電設備に関しては対策を指事するとしています(*2)。

*1 「日の岬ウインドパーク風力発電所の倒壊事故について」/*2「重要インフラの緊急点検について」/いずれも「第14回産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会 新エネルギー発電設備事故対応・構造強度ワーキンググループ」資料
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