12月にはクラウドファンディングによる販売に挑戦し、開始からわずか3日で目標金額に到達。 仕掛け人である(株)コンフォートの山添さんは「障がい者作業所と開発や宣伝のプロが組み、それぞれの強みを活かす。 そうした共同作業の輪を広げていきたい」と話しています。
有田みかんを、つぶつぶにしてパウダーに 『桜和むき』で使われているのは、有田の農家さんから直接仕入れた有田みかん。 まずみかんの皮を包丁ではぎ、さらに筋をとり、最後はつぶつぶにまでしてしまうという新しいむき方です。 海南市阪井の障がい者作業所「あすなろ」ではこのやり方でみかんをむき、フリーズドライの機械にかけてパウダーに。 このパウダーを使って、ラスクやクッキーなどのスイーツに加工しています。 「通常、みかんを加工する際には筋や皮も残ったままで搾るんです。ですが『桜和むき』ではつぶつぶにまでしてしまうので、よりみかんそのもののおいしさを味わえます」 そう言うのは今回のクラウドファンディングの仕掛け人で、和歌山市でスイーツの企画販売を手がける(株)コンフォートの山添利也さん。 同社では障がい作業所と協力して製品を開発・販売する「KANOWA」というブランドを立ち上げ、『桜和むき』スイーツのほか、和歌山のレモンを使ったレモンケーキや、紀の川市のハチミツを使ったバウムクーヘンなどを販売しています。
その道のプロが集まって、障がい者作業所の仕事をプロデュース もともと、和歌山市内でスイーツのお店を経営していた山添さん。 そのころ海南市の障がい者作業所にお菓子の加工を依頼したことが、作業所との共同作業をはじめるきっかけだったそうです。 「作業所の担当者の方は、利用者の方に作業を割りふるプロなんです。それこそ、『割りふれない作業はない』というくらい。一方、私たちはスイーツ商品の企画開発や、宣伝・販売のプロです。おたがいの得意なところを活かしませんか、と話を持ちかけたんです」 その後、(株)コンフォートを創業した山添さんは新ブランド「KANOWA」を立ちあげ、障がい者作業所との共同作業を本格化させました。 「『桜和むき』は非常に手間のかかるむき方です。知人は『5分と続けられない』と言ってました(苦笑)。でも作業所では1日に8コンテナ、あのむき方でむいています。これはひとつの強みだと思うんです。 この素材を使ってパティシエがレシピをつくり、ほかの作業所さんでも加工してスイーツにする。さらに当社の広報・宣伝のプロも加えて、チームとして取り組む。みんなが得意なことを持ちよった方が楽しいですし、楽しくおいしいお菓子をつくって結果を出しましょう。それがKANOWAの目指しているところです」 クラファンで大好評!開始から3日で目標金額を達成 12月には『桜和むき』からつくったスイーツと、県内の障がい者作業所で以前からつくられていたみかんスイーツをセットにした「みかんお菓子BOX」をつくり、クラウドファンディングサイト「Makuake」で応援購入を募りました。 すると開始からわずか3日で、目標の販売金額である20万円を達成。クラファンは現在も続行中で、12月末現在、目標の倍近い約40万円もの売上を上げています。山添さんによると、購入したのは関東の方が多かったとのことです。 コロナで障がい者作業所にも影響が…「ほかの作業所にも広めていきたい」 山添さんによると、県内の障がい者作業所でも新型コロナウイルスの影響により、仕事の確保に苦労しているところが多いとか。 『桜和むき』のクラファンに参加した作業所は海南市・新宮市の5か所ですが、山添さんは「ほかの障がい者作業所にも広げていきたい」と話しています。 「季節になったら和歌山の作業所さんはみんなみかんの皮むきしてる、ぐらいになるのが目標です(笑)」 ご自身も自閉症の息子さんを持つ山添さん。 「せっかくいい製品をつくっても、営業や宣伝、販売で苦労している作業所をたくさん知っています。作業所ですべてやるのではなく、それぞれのプロが関わることで、結果を出せました。作業所の人たちに『そういうやり方もある』ということを知ってほしいんです」 ▼クラウドファンディングサイト 「手加減なし・全力のこだわり!究極の手むき「桜和むき」から始まる有田みかんスイーツ」 Makuake(makuake.com)で、「有田みかんスイーツ」で検索 ※現在も応援購入受付中です
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