同製油所の発表によると3月29日の11時半ごろ、圧縮空気装置の出口配管が破損。これにより工場内の全装置が停止し、残ったガスを燃焼処理したため黒煙が発生したとのこと。 通常は余剰ガスはほとんど発生しないものの、装置が停止しているため、燃焼処理により黒煙として上がったとのことです。 なお、黒煙には有害性はないとしています。 ツイッターでは同日、上空に広がる黒煙の写真や、「えらい黒煙」「東燃ヤバい」など、黒煙の量に驚く声が相次いで投稿されていました。 有田市役所によると黒煙の発生後に市民からの問い合わせもあり、同日、ホームページに確認できた事項などを掲載。海南市のホームページでも、経緯などを掲載していました。 翌30日以降もやや少な目にはなったものの黒煙の発生は続き、ようやく黒煙が収まったのは、事故から3日経った4月2日でした。 工場もほぼ全面停止に 同製油所によると、この事故により工場の操業はストップ。4月5日現在、再開の見通しは立っていないとのことです。 同製油所では'17年にも2度に渡り火災が発生し、2度目の火災では周辺住民に避難指示が出される騒ぎが起きています。 同製油所は昭和16年の操業開始で、旧東燃ゼネラル石油株式会社(以下東燃)ではもっとも古い工場。 東燃は'17年にJXエネルギー株式会社と合併して「JXTGエネルギー株式会社(以下JXTG)」となり、さらにJXTGは昨年、「ENEOS株式会社」と社名を変更しています。 東燃最後の社長である武藤潤さんは合併前、「(工場統廃合の)必要性はひしひしと感じている」と発言しており(*1)、業界紙では複数の工場がある神奈川や大阪のほか、初島の工場も統廃合の対象として噂されていました。 '17年の事故当時、記者会見で当時の工場長は「工場の統廃合が進むという時期に事故を起こしたことについて、どうお感じか」という質問に「地元の方に、ご質問にありますようなご心配をおかけしていることを申し訳ないと思っております」と答えていました。 その後、JXTGは'19年に大阪の高石市にある工場の石油精製を停止すると発表しています。 *1 「東燃ゼネ社長「製油所の統廃合、速やかに検討」日本経済新聞 '16/8/31 前の記事 [3]日高川河口の工事、指摘でストップ
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