Arikaina 2022/3 クビアカツヤカミキリ、紀北の広範囲に?
すでに紀北の広範囲に分布か クビアカツヤカミキリ

フラスの写真(県農林水産部提供)

 サクラやウメ、モモ、スモモの木に住みつくカミキリムシ「クビアカツヤカミキリ」。県内でも'19年にはじめて確認され、1月に県が行った調査で、広い範囲で被害が確認されました。紀北ではすでに広範囲に分布しているものとみられ、県では駆除や情報提供を呼びかけています。

 クビアカツヤカミキリは全身が黒く、その名の通り首の部分だけが赤くなっているカミキリムシ。もともと中国や朝鮮半島、ベトナムなどに生息していますが、日本でも'12年にはじめて発見されています。木に住みつくとその木を弱らせたり枯れさせたりするとして、環境省が特定外来生物に指定しています。国内では関東地方を中心に被害が広がっており、群馬県では令和2年度、サクラやウメの木を中心に4960本もの被害を確認。農業への被害のほか、街路樹にも住みつくため観光への影響も懸念されています。

 県内では'19年にかつらぎ町ではじめて成虫が確認され、同年11月、同じくかつらぎ町ではじめて被害が確認されました。今年1月には九度山町でもはじめて被害が確認され、県ではこれを受けて周辺地域で調査を実施。和歌山市〜橋本市にいたる紀の川沿いの市・町で被害が確認され、とくにかつらぎ町では300本以上の被害が確認されています。県農林水産部によると、春と秋に県内全域で定期的に調査を行っているとのことです。

木に対策した場合は補助金も
3月からは活動も活発化

 同部によると成虫を見かけたり、木の根元などにおがくずのようなもの(フラス=木のくずとフンが混ざったもの)が溜まっているのを見かけたら連絡してほしいとのこと。似たカミキリムシもいるため、写真を送ってもらえればよりありがたいとのことです。

 木に住みついているのが確認された場合は、幼虫を木から掘り出したり、木に薬剤を注入するなどの対策がとられることになります。補助金も用意されており、木を根から伐採した場合は3万円/根は残して上部を伐採した場合は2万円/木を残して対処した場合は2千円となっています。

 同部によるとこれからあたたかくなるにつれ、3月末ごろから木の中にいる幼虫が動き出すとのこと。クビアカツヤカミキリは繁殖力が非常に強く、メスは一度に最大で千個もの卵を産むとされています。

連絡先=
海草振興局農業水産振興部
TEL.073・441・3382
有田振興局農林水産振興部
TEL.0737・64・1273

▼クビアカツヤカミキリ防除対策マニュアル (暫定版)
(特徴や駆除の方法などについて、写真入りで紹介されています)=和歌山県ホームページ(www.pref.wakayama.lg.jp)上部の検索窓で「クビアカツヤカミキリ マニュアル」で検索→検索結果の「クビアカツヤカミキリ防除対策マニュアル (暫定版)」をクリック

参考=和歌山県「クビアカツヤカミキリの侵入防止及び防除対策」(www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070300/d00204085.html)/環境省「外来生物法」(www.env.go.jp/nature/intro/1law/outline.html)/群馬県「特定外来生物クビアカツヤカミキリに注意してください」(www.pref.gunma.jp/04/e23g_00005.html)/国立環境研究所「侵入生物DB クビアカツヤカミキリ」(www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/60560.html)/和歌山県「クビアカツヤカミキリによる被害状況について」(wave.pref.wakayama.lg.jp/news/file/35113_0.pdf)/足立区「特定外来生物『クビアカツヤカミキリ』から大切な樹木を守りましょう」(www.city.adachi.tokyo.jp/kankyo/kurashi/kankyo/kubiakatuyakamikiri.html)


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