Arikaina 2023/3 自然博物館の移転が白紙に
いよいよというところで"ちゃぶ台返し"?

県立自然博物館の移転が白紙に 海南市、約2億円がパーの危機

「裁判でも起こして下さいと言うのか」
「関係者カンカンに怒ってますよ」

 海南市による土地の造成はすでに完了済。市の都市整備課によると、土地の購入と造成費用で、あわせて約2億円ほどかかったとのことです。大池のほとりには平らに整地された土地が用意され、あとは『移転を待つだけ』の状態に。しかし今年1月、状況は一変しました。

 2月20日に開かれた、県議会一般質問。海南市・海草郡選挙区選出の藤山将材議員が、県立自然博物館の移転について質問しました。

「今年1月17日、海南海草議会連絡協議会が岸本知事に陳情に行った際に、知事から突然、自然博物館の移設についてはゼロベースから見直すとの発言があり、自分の耳を疑いました」

「海南市は和歌山県を信用して、用地を用意したわけであります。(中略)用地が不要となった場合は、どうなるのでしょう。裁判でも起こして下さいとでも言うのでしょうか」

「海南市の関係者カンカンに怒ってますよ」 (以上すべて藤山議員)

 これに対し岸本周平知事は「現在と同程度の水族展示を行う場合、高額の建設費に加え、海水の確保や、排水に多大な経費が必要となる見通しとなりました」と説明。しかし藤山議員は「(そういうことは)はじめから分かっていたこと」と応えていました。

 移転にかかる費用に関しては、仁坂前知事は'17年の県議会で「博物館の移転・リニューアルは、県としては一大プロジェクトでございまして、それに必要な体制の整備とかーー要するにお金でございますね。これをどういうふうにして工面してはめていくかという課題がございます」と答弁しています。

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[3/11 18:30訂正] 初出時、藤山議員のお名前が「藤本議員」になっておりました。お詫びして訂正いたします。

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