Arikaina 2023/8 「遠藤茂旧蔵資料」公開
昭和初期の水害時の写真を多数収録 県立文書館が「遠藤茂旧蔵資料」を公開

 6月、豪雨により大きな被害を受けた和歌山県。和歌山市にある県立文書館は7月、昭和初期の水害時に県が作成した資料をホームページで公開しました。昭和25年のジェーン台風や、昭和28年の有田川大水害のさいの貴重な写真が多数掲載されています。

昭和28年水害時の保田村(上)と箕島町(ともに現在の有田市)の写真(「昭和28年7月18日 豪雨による水害状況(県立文書館所蔵)」より)

 公開された資料は、昭和25〜29年に県の農林部長をつとめ、のちに鳥取県知事となった故・遠藤茂さんが所蔵していたとみられるもの。公開されているのは、当時、大きな水害が発生したさいの県内各地の被災写真が多数収められた資料や、水害時の農業への影響を記録した資料など。ほかにも当時、県内でも特に有田川・富田川・古座川で水害が多いとして、なぜこれらの川で水害が多いのかを分析・研究した資料も公開されています。

 また遠藤さんは農学博士でもあり、水害関連以外でも、県内の稲や馬鈴薯(じゃがいも)、果樹などの栽培に関する資料もあります。

古本屋で販売されていたものから
貴重な資料が

 同文書館によるとこうした災害の写真は、当時、県が記録として作成した資料とみられるとのことです。ただこれらの資料は遠藤さんから直接寄贈されたものではなく、古本屋で販売されていたものを購入した方が県に寄贈し、資料に押されているハンコなどから、遠藤さんが所蔵していたものに間違いないと判断したものとのことです。

 県で作成された資料ですが、すでに県庁内には同じ資料はほぼ残っていなかったとのこと。同文書館では、歴史や文化に関するもので貴重なものであれば寄贈を受け付けているとしています。

問い合わせ=県立文書館
TEL.073・436・9540

▽公開ページ=和歌山県立文書館「和歌山県歴史資料アーカイブ」(https://www.lib.wakayama-c.ed.jp/monjyo/archive)から、「行政刊行物等」をクリック→「遠藤茂旧蔵資料」の「詳細はこちら」をクリック
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