Arikaina 2023/10 採用試験変更に懸念の声
どういう基準で、誰が採点するのか?

 行政学や地方自治を専門分野とする獨協大学の大谷基道教授は、'20年に総務省の自治大学校に寄せた原稿の中で「公務員試験対策が不要になったことで受験のハードルが下がり、『公務員は勤務条件も悪くないし、受かればラッキーだから取りあえず受けてみるか』といった招かれざる人物を呼び込むリスクが高まりかねない」と指摘しています。

 大谷教授はさらに「現に一部の自治体からは『受験者数は増えたものの、新人の質が落ちた』、『法律もろくに読めない新人が入ってきて困った』『ほどほどには働くが、公務に対する熱意があまり感じられない』といったぼやきも聞こえてきている。これはある意味当然の帰結であろう」とも述べています。

「コネ採用が増えるのでは」
ネットで懸念する声も

 また試験による点数のような客観的な指標でなく、面接や論文の採点による試験になれば、担当者の主観によって点数が大きく左右されることになります。

 こうしたこともあってか、ネットのニュースサイト大手「Yahoo!ニュース」のコメント欄(通称ヤフコメ)では、県が採用試験を大幅に変更することを伝えた新聞記事に対し、「コネ悪用されない仕組みが必須」「コネが横行しないか心配」など、コネ採用に関して懸念する書き込みも見られました。

 国家公務員法や地方公務員法では、職員(公務員)の採用は「その者の受験成績、人事評価又はその他の能力の実証に基づいて行わなければならない」と定められています。しかし実際にはコネや口利きといった不正が相次いでおり、近年でも'21年には福岡県みやこ町で町議が、'17年には山梨市長が、それぞれ職員採用に関する不正で逮捕されています。県内でも'08年、当時の和歌山市長が職員採用に関する汚職事件で逮捕されています。

 県人事委員会によると、今回の採用試験変更では、特にコネ採用を防ぐような仕組みは設けられていないとのこと。「複数の面接官で厳正に対処し、これまでと同じように適正に対処されると考えている」とのことです。

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