「和歌山県は未開の地」映画「翔んで埼玉」が表現、知事もツイート[1]和歌山県は「白と黒が混在した奇妙な生き物が多数生息する未開の地」ーー11月に公開された映画「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜」の中で、和歌山県はこう表現されています。映画はフィクションですが関西一円を舞台にしており、あきらかに現実の社会を反映したもの。またこの「未開の地」という表現を、岸本知事も自身のX(旧ツイッター)の中でとり上げています。
この映画は'19年に公開された「翔んで埼玉」という映画の続編。公式サイトによると、映画は大阪・神戸・京都に支配されている関西圏の人たちが、埼玉から来た人たちと戦うというもの。 サイトでは各府県をひとことコメントのような形で紹介していますが、奈良県は「1300年以上、時が止まったままで大量の鹿が生息している」、滋賀県は「ナンバープレートの姿形からゲジゲジと揶揄されている」など、各県を卑下するような記述で紹介。一方で大阪は「関西圏中枢の都市。東京に一定のアレルギーを持つ」、東京は「日本の首都で誰もが憧れる最重要都市」など、都会についてはそれほど卑下しない表現になっています。 「10人中2人が怒るくらいがちょうどいい」怒らせること前提で映画を製作?公式サイトなどによると、映画の製作者側ではこうした卑下するような表現を「ディスる」と呼んでいるようです。前作の「翔んで埼玉」では、タイトル通り埼玉を「ディスる」表現が使われていたようで、11月に公開された続編の公式サイトでも、埼玉県は「ダ埼玉と呼ばれる」なとど表現されています。 前作および続編で監督をつとめた武内英樹さんは「ディスり」について、前作を公開したさいには「クレーム処理のQ&A」を用意していたと話しています。映画の製作側はクレームが来るのは承知の上で、こうした卑下するような表現を使っているようです。 武内監督「一応、クレーム処理の対応をするために、こう言われたときはこう答えるといったQ&Aみたいなものは用意しておきましたけど、ほぼ使わなかったですね」(東洋経済オンライン「『翔んで埼玉続編』監督ら語る県ディスりの線引き」より) また同じインタビューの中では、こうした卑下するような表現をどの程度使うかについて以下のように述べています。
ライター「ここまではいいけど、これ以上やったら本気で怒らせるのでやめておこうといったようなラインは決めていたんですか?」 映画の製作側としては、怒る人がいたとしても、映画を面白くするために「和歌山県は未開の地」といった表現を使用している、ということのようです。 次ページ「『和歌山が大阪に虐げられている』過去には『しゃれ』にならない事件も」 (1) (2)
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