ずさんな工事が発覚した淺川組のトンネル 県がほかのトンネルも検査するも…検査は写真のみ[1]7月、ずさんな工事が発覚した那智勝浦町〜串本町を結ぶ「八郎山(はちろうやま)トンネル」。県ではこれを受け、トンネルを施工した和歌山市の(株)淺川組(あさかわぐみ、以下「淺川組」)が県内でほかに施工したトンネルを検査。しかしその検査は、写真による検査のみであることが分かりました。岸本知事は記者会見で「現時点で、他のトンネルについて問題はないと聞いている」と話しています。
二川トンネル(中辺路町温川)
県は7月、昨年9月に完成した「八郎山トンネル」で施工不良があったと発表。県ではこれを受け、淺川組が単独あるいはJV(共同企業体)で施工したトンネル、計11か所を検査しました(別表参照)。有田・海南地方のトンネルでは紀美野町の毛原トンネルと、海南市の城山トンネルが含まれています。 しかし検査を実施した県土整備部によると、その検査は写真による検査のみ。壁に穴を掘って確かめるなど、現地での検査は行われていないとのことです。「通常の検査時に出してもらう写真は代表的なものだけだが、それを業者から全部提示してもらって、県職員ですべての写真を検査しました(同課)」 ずさんな工事が発覚した「八郎山トンネル」では、業者が書類を改ざんしていたことが分かっています。また本来なら県職員による段階確認が60数回必要だったところが、実際には3回しか行われておらず、県による確認の不備も指摘されています。 なお県の道路建設課長は9月の県議会で、これら11か所のトンネルについて「定期点検を5年前に実施しており、緊急に対策を要するものはない。今後、覆工コンクリートの厚みを実測したいと考えている」と答弁しています。 淺川組のホームページによると、同組はトンネル以外にも橋や道路など、さまざまな公共事業を請け負っています。しかし県土整備部によると、今回検査されたのはトンネルのみ。ほかの淺川組が施工した設備については、検査は実施していないとのことです。
「壁の厚さが3センチ」
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