Arikaina 2024/1 広川町、町有地を無償譲渡[1]
「なんとか人口減少をくいとめないと」一方、知事は…

広川町、移住する新婚家庭向けに町有地を無償で譲渡


 広川町では町内への移住を希望する新婚家庭に、住宅用として町有地を無償で譲渡する事業を開始しました。全国的に人口減少が進む中、各地で同様の政策を実施している自治体はありますが、県内では、こうした施策はおそらくはじめてと見られます。
※記事の内容は昨年12月末時点でのものです。


広川町が譲渡を予定している土地(1月3日撮影)

 広川町企画政策課によると、用意するのは同町広の旧・日東紡績の社宅のあった土地。すでに8区画を用意しています。町外から移住して住居を新築する新婚家庭が対象となっており、今のところはまだ未定なものの、年齢制限ももうけられる予定とのことです。

 無償提供は10年間は居住することが条件になっており、別荘などとしての利用は対象外。入居者には10年間、年に1回報告書も出してもらう予定となっており、また、町内会などの地域活動に協力することも条件となっています。応募者には町による審査があり、応募時には、新築する住居のプランを提出してもらう予定にしているとのことです。

'50年には今の約6割ほどの人口に
「このままでは町の存続に関わる」

 '20年の国勢調査では、広川町の人口は6781人。厚生労働省の「国立社会保障・人口問題研究所」が昨年12月に発表した人口推計によると、今から26年後の'50年には3941人と、'20年の人口から約4割も減少すると予測されています。「なんとか人口減少をくいとめないと、このままでは町の存続に関わります(町企画政策課)」町では、できれば3月末までには募集を開始したいとしています。

有田・海南の市・町
'50年の人口予測
国立社会保障・人口問題研究所「都道府県・市区町村別の男女・年齢(5歳)階級別将来推計人口- 日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)30.和歌山県」より本紙作成
https://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson23/3kekka/Municipalities/30.xlsx

紀美野町
'20年の人口 8,256
'50年の推計人口 3,368
減少率 59.2%

海南市
'20年の人口 48,369
'50年の推計人口 28,027
減少率 42.1%

有田市
'20年の人口 26,538
'50年の推計人口 14,597
減少率 45.0%

湯浅町
'20年の人口 11,122
'50年の推計人口 5,242
減少率 52.9%

広川町
'20年の人口 6,781
'50年の推計人口 3,941
減少率 41.9%

有田川町
'20年の人口 25,258
'50年の推計人口 17,649
減少率 30.1%


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