Arikaina 2024/3 耐久高・センバツ出場で大フィーバー[1]
梧陵さんも、村をあきらめなかった

専門誌の表紙に、バスは完売、ほぼ毎日取材…耐久高校・センバツ出場で大フィーバー![1]


 創部から実に100年以上、ついに甲子園出場を果たした耐久高校の硬式野球部。応援バスツアーはあっという間に売り切れ、高校野球の専門誌では表紙を飾るなど、まさに"大フィーバー"状態。公立でスポーツコースもなく、選手はみんな地元の子。そんな「昔ながらの野球部」の快挙に、地元は沸き立っています。※記事の内容は3月8日現在のものです。


練習する耐久高校硬式野球部と、湯浅町内で貼られているポスター(2月29日撮影)

2000席の応援バスツアー
3日ほどで売り切れ

 センバツ出場が決まってから、耐久高校では校内の一室に「特別後援会」が設置されました。事務局長をつとめているのはプロ野球で活躍した東尾修さんの弟で、耐久高校OBの東尾庄治さんです。

 後援会では連日、東尾さんをはじめ同校OBの方々が問い合わせや取材の対応、寄付の受付などを行っています。本紙が取材にうかがったのは2月末のお昼過ぎでしたが、ひっきりなしに電話がかかってきていたほか、寄付をしに訪れた方もいて、みなさん忙しそうにされていました。「自分の仕事ほっぽり出して、毎日ここ来ちゃあら(スタッフをつとめているあるOBの方)」

 応援バスツアーは50台・2000人分が用意されていたものの、「3、4日ぐらいで、すぐ売り切れました(東尾さん)」。甲子園で勝ち進んだ場合は再度バスツアーを募集することになりますが、野球部と同じく「何もかもはじめて」ということもあり、「1回戦が終わってから、次の試合までそれほど間隔がない。どうやって告知して募集して、どうやって出発するか、想像もできてない状態です(同)」とのことで、勝ち進んだ場合はまた「嬉しい悲鳴」を上げることになりそうです。

 なお後援会ではすでに、帽子やジャンパー、メガホン、タオルなどの応援グッズを製作済。1セット3000円で、学校内の事務局にて販売しています。

2度にわたって専門誌の表紙に!
硬式野球部には、ほぼ毎日取材が

 昨年11月には、報知新聞社が発行する高校野球の専門誌「報知高校野球」で耐久が表紙を飾り、2月にはベースボール・マガジン社の「第96回選抜高校野球大会 完全ガイド」でも耐久が表紙を飾りました。2月下旬時点で、硬式野球部には「ほぼ毎日取材が入っている」とのことでした。

 湯浅や広川では役場などの公共施設はもちろん、会社やお店など、さまざまなところに甲子園出場のポスターが貼られています。自身も耐久高校OBである硬式野球部の井原正善監督は「みなさん、『おめでとう』ではなく『ありがとう』と、声をかけていただくんです。他人事じゃなく、自分事のように喜んでいただいているとしみじみと感じています。涙を流して喜んでくださる方もいらっしゃいました」と話しています。


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