Arikaina 2024/4 どうなる?白馬山の巨大風車
すでに50基、このままいけば100基に

有田川町長に署名を提出、一部の地主も反対か どうなる?白馬山脈の巨大風力発電所[1]


 有田川町〜日高川町にまたがる白馬山脈。ここでは近年、多くの風力発電所が建設・計画されています。すでに50基ほどの風力発電所(風車)が稼動しているほか、現在計画されているものがすべて建設されれば、100基近い巨大な風車が立ち並ぶことになります。

 3月には計画中の発電所のひとつが、計画の情報を公開して住民説明会を開催しました。それによると風車について450件あまりの意見が寄せられており、そのほとんどが計画に反対するものでした。また計画地周囲の地主さんにも、反対されている方もいるようです。4月には有田川町で、反対派の人たちが1300筆あまりの署名を町長に提出しています。


白馬山脈に立ち並ぶ風車('21年撮影)

白馬山脈で計画されている大型の風力発電所
事業名
風車の出力と基数

(仮称)中紀第二ウィンドファーム事業
4,300kW x 12基
(仮称)紀中ウィンドファーム事業 4,300kW程度 x 最大20基程度
(仮称)DREAM Wind 和歌山有田川・日高川風力発電事業
3,200〜4,300kW x 最大11基

付近で稼動している大型風力発電所

白馬ウインドファーム 1,500kW x 20基
広川・日高川ウインドファーム 2,000kW x 10基
中紀ウインドファーム 2,100kW x 23基

450件あまりの意見
ほとんどが風車に反対

 情報を公開したのは、大阪の大和エネルギー(株)が計画している「DREAM Wind 和歌山有田川・日高川」。情報の公開は「環境影響評価法」という法律にもとづくもので、大型の風力発電所を建設する場合、事業者は複数回にわたって情報を公開し、広く意見を募る必要があります。

 3月に公開された情報では、前回、'21年に同社が公開した情報に対する意見の内容が公開されました。それによると、寄せられた意見は実に453件。本紙で集計したところ、そのうち計画に賛成、もしくは賛成的な意見は約30件。ほとんどの意見が、計画に反対する内容でした。反対意見としては「開発により山が崩れやすくなるのではないか」といったものや「騒音や低周波音により、健康被害が出るのではないか」といったものが多く見られました。


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