Arikaina 2024/4 和歌山県、自殺死亡率が全国ワーストに
ここ3年、下から数えて4位、6位、1位

和歌山県、昨年の統計で自殺死亡率が全国ワーストに[1]


 厚労省が3月に発表した統計で、和歌山県は自殺死亡率(住所地ベース)で全国ワーストになったことが分かりました。この10年間で見ても、和歌山県は全国ワースト上位となることが多くなってしまっています。


住居地ベースの自殺死亡率(人口10万人あたり)と和歌山県の順位 (厚生労働省「自殺の統計:地域における自殺の基礎資料」より)

年度 / 自殺死亡率 / 都道府県別の順位(高い方から)


'14 / 18.38 / 33位
'15 / 9.65 / 38位
'16 / 22.83 / 4位
'17 / 11.96 / 7位
'18 / 20.10 / 4位
'19 / 15.55 / 30位
'20 / 17.19 / 16位
'21 / 19.90 / 4位
'22 / 19.89 / 6位
'24 / 21.42 / 1位

 これは厚労省が警察からのデータにもとづき毎月集計しているもの。例年、3月に1年間の集計が公表されます。

 この10年間のデータでみると、和歌山県は自殺死亡率(人口10万人あたり)で、全国上位となることが多くなっています。真ん中(23位)以下になったのはわずか3度で、10位以内が6回、うち5位以内が4回となっており、全国的にみても「自殺者の割合が高い県」ということになりそうです。なお県内にはいわゆる「自殺の名所」として有名な場所もありますが、この統計は住所地ベースであり、自殺者の中で「住所が県内にある人」の人口あたりの割合を示したものになります。

 県内の自殺者総数で見ると、昨年は198人。10年前の'14年は186人でした。'19年と'20年は若干少なくなったものの、この10年間ではほぼ横ばいか微増傾向となっています。

 県内の総人口は、'14年は約97万人で昨年は約89万人。この10年間で人口は約8万人減少しているにもかかわらず、自殺者数は減っていないことになります。

県の担当課
原因の分析は進めているものの…

 自殺者の割合が高止まりしていることについて、県の「自殺対策推進センター」では「原因は正直、分かりません。対策を深く考えていきたいと思っています」と話しています。県の「こころの健康推進課」でも、「県警の協力によるデータ収集や、有識者会議などで(原因の)分析は進めていますが、特徴的な部分が絞りきれていません。傾向が見えれば、(効果的な)対策も見えてくるのですが…」としており、今のところ行政でも、和歌山に特有の原因などはつかめていないようです。同課によると現状では県独自の事業として、24時間対応の電話相談や、LINEによる相談窓口などを実施しているとのことです。


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