Arikaina 2024/6 自殺した職員の母親、涙の訴え
市の不正を公益通報したあとに…

「息子の死を無駄にしたくない」自殺した和歌山市職員の母親が涙の訴え[1]


 5月から大きく報道されている、和歌山市の職員が自殺した問題。自殺した職員(以降Aさん)は市役所の不正を公益通報したあと、自殺しました。6月1日には和歌山市で記者会見が開かれ、Aさんのお母さんが「息子の死を無駄にしたくない」「一生をかけて戦っていく」などと、涙ながらに訴えました。この問題では海南市在住の元職員も、和歌山市の不正を公益通報しています。 ※記事の内容は6月7日時点のものです。


公益通報で不正を正すも、その後自殺

 記者会見を開いた「Aさんの公務災害認定を支援する会(以下「支援する会」)」が作成した資料によると、Aさんは1991年生まれ。'15年、23歳で和歌山市役所に入庁しました。'18年に市内の児童館に異動すると、児童館が書類を捏造したり、子ども会の数を水増ししたりして不正に交付金を得ていることを公益通報。'20年、和歌山市は5年間で約2000万円が不正に利用されていたとして、職員15名を処分しました。

 Aさんは市役所の別の部署で勤務を続けていましたが、この処分からわずか2か月後、処分された職員がAさんの隣の課に配属されました。座席はAさんのすぐ近くとなり、Aさんの母親によると、Aさんはかなりストレスを感じていたとのことです。それからさらに2か月後、Aさんは公用車で接触事故を起こし、その3日後に自宅で自殺しました(享年28歳)。市が処分を発表してから、わずか4か月後のことでした。


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