Arikaina 2024/7 白馬の風車計画に疑問の声[2]
ブナ林・保安林を伐採?

「なぜここに建てるのか」白馬山脈の巨大風力発電所計画に、専門家から疑問の声相次ぐ[2]


貴重な白馬山のブナ林
事業者側、伐採の可能性を否定せず

 今回の資料に関する審査会は6月27日、和歌山市にある県薬剤師会館で開かれました。専門家のほか、事業者である大和エネルギー(株)・電源開発(株)の担当者、県の環境関係の部署の職員らが出席しました。

 審査会は事業者が項目ごとに説明を行い、専門家がそれについて質問したり意見を述べたりする、という形で進行しました。この日は主に動物・植物・景観に焦点があてられ、特に植物では計画地にふくまれているブナ林について多くの意見が述べられました。「白馬山のブナ林」は県レッドデータブック(2022年改訂版)でも「本来の自然の状態、または評価されるべき優れた状態がよく保たれている」カテゴリー①に選定されています。

「(事業者側は、ブナ林が)衰退気味だから影響が少ないと言っているが、衰退しているから影響が少ない、というのは逆。このエリアの生きものにとっては重要であり、影響が少ないなどということは絶対にない。それをごく少ないから大丈夫、みたいなことばかりを(資料の中で)書いている((公財)日本野鳥の会和歌山県支部の中村進さん)

「ブナがあることだけではなく、ブナがある環境が残っていることが重要(大阪公立大学大学院教授の竹中規訓さん)」

「先日、歩いてきた。あのエリアのブナ林は、割とよく育っている。回復基調の途上にあるという印象を持った。きちんとした森林として育っていくエリアとしてみていただきたい(県森林インストラクター会の岡田和久さん)

 ブナ林については県の仁坂前知事も、3年前に前回の資料が公開されたさいに「『白馬山のブナ林』の伐採を避けること」と意見を述べていました。しかし事業者側は3月に公開した資料の中で、ブナ林について「生育環境の減少・消失する可能性については、小さいものと予測する」「ブナーミズナラ群落へ影響については、小さいものと予測する」などとしており、伐採する可能性を否定しないような書き方をしています。

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