Arikaina 2024/8 風車で天然林がピンチ?[2]
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わざわざ自然の残っているところを開発?
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自然度の高い天然林がピンチ?広川〜日高地方の巨大風力発電所計画[2]
現在の風車を撤去した後には、 風車を建てない?土砂は盛土に
JR東日本は審査会で、現在稼動している風車を撤去した跡地には新しい風車を「建てない」と説明しました。審査会では、この点についても意見が出ました。
「同じ場所に建てることはできないのか(大阪公立大学大学院教授の竹中規訓さん」
「(風車の)大きさも違うので(JR東日本、カッコ内本紙)」
「また自然破壊する箇所が増える。同じ場所の方が(竹中さん)」
「大きさが違うので同じ場所は、は答えになっていない(江種さん)」
また工事で出る土砂については「白馬ウインドファームを作ったときの残土置場に、安全に置ける範囲内でその上に重ねていく。盛土になる(JR東日本)」としています。
盛土については'21年、静岡県熱海市で大規模な土石流災害が発生しました。JR東日本はこのことについてもふれており、「残土については、熱海の事故以来できるだけ搬出した方が良いと言われることが多い」としながらも、「一方、以前から、できるだけ搬出を避けて場内でバランスをとるようにという指摘・意見もある(7月24日の審査会の資料より)」としています。ただし『できるだけ搬出を避けて場内でバランスをとるようにという指摘・意見』を、誰が・どこで言っているのかについては、同資料の中では全くふれられていませんでした。
影響は「可能な限り低減」でOK?
委員「『できる限り』乱発されている」
JR東日本は7月24日の審査会で公表した資料の中で、周辺住民などから寄せられた意見と、それに対する事業者側からの回答を記載しています。
それによると「住宅地から風車の距離が近いので、住宅地から離してほしい」「近くに小学校や保育園がある」といった意見に対して、JR東日本は「影響を可能な限り回避又は低減するよう努めます」と回答。
また騒音についても「実際、どれくらいまで音が聞こえるのでしょうか?」「騒音や低周波音による健康被害が心配です」といった意見が寄せられており、こちらに対しても「影響を可能な限り回避又は低減するよう努めます」と回答。
さらに「シカやイノシシが民家に近付くのでは」「鳥類の生態系を壊すのでは」という意見にも「影響を可能な限り〜」と回答。
さらにさらに、「熊野古道からの景観に影響を与えるのでは」という意見にも「影響を〜」と回答しています。
こういった回答に対し、委員からは「『できる限り』乱発されている(江種さん)」という声が出ていました。
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