Arikaina 2025/12 鷹島売却、国内企業が応札か[2]
木、草、塩…かつては地域の「共有財産」

1度売却して、買い戻して、また売却? 広川町による鷹島(たかしま)の売却、国内企業が応札か[2]


岬から鷹島まで、埋め立てを考える事業者も

 町では公募にあたって事業者からの質問を受け付け、内容をホームページで公開しています。それによると事業者からは「名南風鼻から鷹島まで埋め立ての陸路を構築することは可能でしょうか」という質問があったとのことです。

 これに対し町側は、自然公園法などの法規制や開発規制があるほか、漁業関係者などの同意も必要になると考えられるとし、さらには「技術面、資金面の2点においても容易な開発ではないと存じますが、本回答ではその2点の可否について言及しないことを申し添えます」などと回答しています。

 文化庁の日本遺産を紹介するホームページでは、この地域について「名南風鼻と呼ばれる岬を中心とした地域と、その西に位置する面積約18haの鷹島はとくに優れた景観」としています。本紙でグーグルマップで確認したところ、名南風鼻の突端から鷹島まではおよそ800メートルほど。もし埋め立てられれば、周囲の景観にもかなり影響が出ることになりそうです。

昭和39年に一度売却
国の調査官「鷹島の適切な保存を」

 本紙で調べたところ鷹島と名南風鼻は過去にも町によって一度売却され、それを町が買い戻し、そして今回、また売却しようとしていることが分かりました。

 「広川町誌 上巻(1974年)」によると、一度目の売却は1964(昭和39)年。観光開発のため、町は鷹島と名南風鼻を大阪の会社に売却。しかし明恵上人ゆかりの島であり、古代の遺跡も残る鷹島の売却に対し保存運動が起こり、「町当局も売却後はじめて鷹島の歴史的な重要性を認識し、また県当局もこれの保存を検討することとなった(広川町誌より)」さらにこの年の12月には国の文化財保護委員会の調査官が現地を訪れ、鷹島の適切な保存を行うよう指示したとのことです。

 これを受けて県と町、さらに買収した会社の3者による鷹島の調査が行われ、明恵上人関連と推定される遺跡を2か所確認。県はこれらの遺跡を極力保存するよう会社に要望し、会社もそれを了承したとのことです。

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