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Arikainaメールマガジン 2021/2号(2021/2/10発行)


Arikainaメールマガジン 2021/2号


皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com



▼提案書類も審査会も、すべて非公開 IRカジノ事業者、秘密裏に春ごろ決定予定
https://arikaina.com/_article/202102/casino-1.html

▼白馬の大型風力発電所 住友林業が撤退 3社→2社になり大幅に規模縮小
https://arikaina.com/_article/202102/shirama-1.html

▼県が洋上風力のゾーニング案を公表 ウミガメや野鳥の通り道が『調整エリア』に
https://arikaina.com/_article/202102/zoning-1.html

▼感染対策はどこへ?「密」になった有田市の成人式
https://arikaina.com/_article/202102/seijinshiki-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202102/kiji-index.html



メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。
県内ではなかなか1日ゼロにはならないものの、宣言の効果か東京はじめ都会でもかなり減少傾向になり、ようやく第3波も収まってきたかなという感じです。

もちろんまだまだ予断は許さないものの、とりあえずはほっとひと息です。宣言が出て、またどうなんの・どうすんのみたくなってましたが、もちろん時短してるお店は気の毒だとは思いますが、時短とか要請して減少していくのであればまだマシなんじゃないでしょうか。ほんとに蔓延していったら、もっとどんどんきつくしてかないといけなくなります。

で、今月号は記事も久しぶりにコロナのことは少なめです。代わりにといっては何ですが、ひさしぶりに風力発電のことを2つ大きくとりあげました。



「匿名の専門家」の意見で進んでいく?



1つは白馬山の風車です。方法書が出てきたのですが…

記事では特にふれてませんが、とにかく風車のこの手の図書では、専門家がよく「匿名」で出てきます。今月は、これをちょっと記事でつっこんでみました。

まあ100歩ゆずって「民間団体理事」とかはまだ分からなくもありません。しかし大学教授とか准教授とかは、学問でメシ食ってるわけです。そういう人が専門分野の知見を語るのに、なぜ匿名で出すのでしょうか?

たとえ先方から「匿名で」と言われても「それでは意見は申し上げられません」と言うべきでしょう。自分の専攻に対しても匿名で発言することを自分に許してるような人など、私に言わせれば学者と言えんのかという感じです。そんな人雇ってる大学は、さっさと学位とりあげてクビにするべきだと思います(マジ)。

こういう匿名の意見をぞろぞろ並べて「検証しました」とか言われても、納得する人は少ないのではないでしょうか。以前、ほかの風力発電の説明会でも、この点について「おかしい」「納得できない」と言っていた地元住民の方もいらっしゃいました。当然だと思います。

私はこの環境アセスメントの手続きは重要だと思いますし、今、河野大臣が進めようとしている手続きの簡略化には反対です。今までいくつか風力発電の計画を取材してきましたが、この手続きがあるおかげで住民が事前に計画を知ることができ、さらに第三者による審議会が開かれるおかげで、問題点も知ることができました。

海南・紀美野で計画されていた、当時国内で最大級と言われた風力発電所計画も、当初は住宅からの距離がわずか500メートルしかとらない計画でした。もし環境アセスメントがなくあのまま事業が進んでいたら、下津や由良のように、また大きな問題になっていた可能性は高いと思います。

しかしこういう「匿名の専門家」ですとか、以前記事にしたように図書の閲覧をIE限定にするですとか、縦覧期間が終わるとささっとファイルを消してしまうですとか、そもそもダウンロード不可にするですとか、こういうことが続きますと、手続きの中身がどんどん弱々しく、ホネ抜きになっていってしまいます。そこでさらに手続きそのものを簡略化されたら、なおさらホネ抜き感が増していきます。

そもそも今の環境アセスメントは、事業者が絶対に従わなければならないというものではありません。実際確認したわけではありませんが、環境アセスメントの結果行政や住民が反対していても、強引に建設しようとしている例もあると聞いています。実際、土地をもっているか地主と話がついていれば、法的には問題なく進められる(はず)と思います。

再エネを促進しなければというのは分かりますが、環境アセスの手続きを見直すのであれば、「匿名の専門家」をはじめ(以下略)、こういうことをしない・できないようにも見直してほしいものです。



紀南の輝かしい自然保護の歴史、どうすんの



もう1つは洋上風力発電のゾーニングです。紀南がメインであり、直接うちの配布地域ではないのですが、もし熊楠さんが生きていてこんな案を見たら、怒髪天を衝いて怒っていたのではないでしょうか。僭越ながら、熊楠さんの代わりに怒るつもりで記事にしてみました。

今回は自然環境への影響をメインにしてゾーニングする、としているのですが、そもそもここら辺につくるとして、誰もがまず思い浮かべるのは「地震や津波が来て大丈夫なのか」でしょう。

検討会でもその意見が出て、津波が到達した際の高さとかは付け加えられたのですが、それも風車が建てられるであろう沖合ではなく陸地に到達した際の高さです。これもおかしいと思うのですが、まあ、とりあえずそれは置いとくとして。

30年以内とか言い出してもう20年ぐらい経ってると思うのですが、近いうちに東南海・南海地震が起こり津波が発生する、今回ゾーニングされているのはモロにその津波が襲ってくるあたりです。

記事にはしてないのですが、検討会では風車が流されたらどうなるかも聞かれていて、

「係留策(ロープ)が切れた場合は、補修作業に直ちに着手するのが普通で、2本目の係留策が切れてしまう前に手当てを施す。係留策が2本切れることは、したがって考えにくく、さらに3本全部切れてしまうまで対策が行き届かず結果として漂流してしまうということは、ほぼないと言って良いだろう」

とか言っているのですが(*1)、何十台(ヨーロッパでは実際、洋上では1つの施設で百基単位で設置しています)と一気に外れた時とかどうなるのでしょうか。修理しに向かうだの何だの、間に合うのでしょうか?そもそも津波来てる時に、それに逆らって修理に行くのでしょうか?

で、こういう地震・津波という現実に来る可能性が高い問題を「置いといて」、なぜまず環境のことにだけスポットをあててゾーニングするのでしょうか?この順序がまずおかしいと思います。

で、環境のことに絞ってしっかりゾーニングしてるならまだしも、記事にしましたように、自然保護団体の意見とかさして反映されてないんじゃないの?と思うような中身です。これじゃ、何のためにヒアリングしたんでしょうか。

しかも、「留意事項は全エリアに対して必要」って、それもうゾーニング自体を自己否定してないでしょうか?結局、どこに建てるにも留意はしてください・どこに建ててもいけないと言うわけではありません、といってるのと同じようなもんですこれでは。

もし津波やら何やらで風車が流されることがあれば、熊楠さんが猛烈な反対運動で守った神島や、日本のナショナルトラスト運動発祥の地である天神崎が危険にさらされることになります。

私は特に田辺によく行くわけでもなんかゆかりあるわけでもありませんが、もしこれらの自然遺産がこんなことで傷つくようなことがあったら、県民の一人として、必死にこれらの自然遺産を守ってきた先人の方々に合わせる顔がないという思いです。

記事でふれました世界遺産のことも、あながち大袈裟ではないと思います。風車が建てられる場所次第では、全部とはいかなくとも、'16年に追加登録された中辺路や大辺路は、実際あり得るのではないでしょうか。

あとこれも記事でふれたモンタージュ写真も、たしかに案では「4つの角度ごとの見え方をみるためのもの」としてて、だから4つしか風車を入れていないと、私が話聞いた時もそう仰っていたのですが、どう考えても印象操作の印象が拭えないので、なぜ4つという書き方で記事にしました。4と50という、数字自体は正確です。そのままです。

「近いうちに大きな地震が起こり津波が来ると分かっている場所に、なぜ建てるのか」今回のゾーニング案は、こうしたごくごく素朴な疑問・懸念に答えるものには、まったくなっていません。白馬と同様、こちらも審査会の意見が全部匿名になっているのも、おかしいと思います。



いくらいっても、どっかでひとごと?



成人式はどうしようかと思ったのですが、案外こうしたことを記事にしているものを見かけないので、記事にすることにしました。

写真ではいまいち分かりにくいかもしれませんが、実際はほんとにもみくちゃで、完全に「コロナ禍ってなに?」状態。会場側も、はっきり言ってなすすべなくそのままにしているようにみえました。

記念写真も、まあ写真を撮る時ぐらいいいだろうという判断だったのかもしれませんが、正直、なんでそこまでして撮る必要があるのかな、とは思います。それにそういう写真を広報誌とかに堂々と載せているのも、自制を求めなければいけない立場としてはいかがなものでしょうか。

去年書いた知事の資金集めパーティですとか、先日、週刊文春さんが報じた国会議員秘書の3軒ハシゴとかもそうですが、これだけコロナ禍が続き、政治や行政の現場の人たちはさんざん自粛だの自制だの求めておきながら、どこかまだ人ごとのような、自分の周りでは関係ないみたいな意識があるのではないでしょうか。

感染対策万全にしてやります、でもできないのなら、結果としてできていないのだったら、やるべきではない、やるべきではなかった、そう思います。

記事としては、まとめた記事というよりどちらかと言うと散文的なものですが、まあ、そういう気持ちも込めて書いてみました。



というわけで、今月はこれくらいにしておきます。今月か来月からいよいよワクチンの接種もはじまるようで、コロナとの戦いも次のステージに移った感もあります。

ただまあ、すでにアストラゼネカのワクチンでいろいろもめてるみたいで、やってみて実際どうか的なことはやっぱ出てくるのかもしれません(しかも、日本で一番数を確保できそうなのはこれみたいですが)

第3波はこのまま落ちつく(てほしい)とこですが、そうなってさらにワクチンがはじまっても、少なくとも当分(あるいはもっと)はコロナ禍な生活は続き、また次の流行にそなえる状態も続くことになるかと思います。

ちょうど去年の今ごろ、忘れもしない2/13、済生会有田病院でクラスターが発生しました。思い起こせばだいたい去年の春ごろまで、マスクは効果あるだのないだの、検査はした方がいいだのしない方がいいだの、若い人は悪化しないから家で寝てればいいだの、いわゆる有識者だとか有名人の方たちふくめて喧喧諤諤言われてました。

あれから1年。いろいろ混乱しながらも、何をやらないといけないか・やるべきかは、時間が経つにつれ固まっていきました。今ではみんなマスクして、検査もできるだけするようにして、若い人も入院や隔離するのが当たり前になっています。

同じようなことは、経済や支援に関しても起こってくるのではないでしょうか。休業補償するべきかどうかとか、GoTo賛成とか反対とか。まだ当分は波打ちながら続くでしょうから、その中で経済や支援をどうしていくかも段々固まってくる気がします。国や行政にしたって、そんな無尽蔵にお金あるわけではありません。

ここんとこ大企業の決算がいろいろ発表されてますが、ソフトバンクグループとかかなりの利益を上げてます。去年いちはやく「最大の防御は現金」とかいってさっと固めに入ってましたが、さすがは孫さん、その効果が出ているのでしょうか。

今日ニュース見てたら、ダメだダメだ言われてる外食でも、マクドナルドとか絶好調のようです。業種にもよるでしょうが、「コロナだから落ち込むの当たり前」的なものも、だんだん通用しなくなってくるのかもしれません。そして、たぶんその方がいいのかな、とも思います。

まあどうするにしても、とにかく感染者減らさないことには話になりません。結局、先に減らさないと何もはじまらないのは、この1年で痛感したところです。とにかく当面はこのまま減っていってくれることを祈りつつ、ではまた来月〜
※次号は3月10日(水)発行です。

(*1)第2回検討会資料1_第1回検討会意見について
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/063100/newenergy/marine_renewable_energy/d00203359_d/fil/2shiryou1.pdf

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