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Arikainaメールマガジン 2021/3号(2021/3/10発行)


Arikainaメールマガジン 2021/3号
皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com



▼「和歌山の国会議員の秘書が、夜遅くまで会食」文春の報道に鶴保・門の両議員、沈黙
https://arikaina.com/_article/202103/secretaries-1.html

▼白馬山脈で計画中の大型風力発電所 住民説明会で不安の声相次ぐ
https://arikaina.com/_article/202103/dreamwind-1.html

▼有田市ではなく、有田郡に地域中核高校 県教委が高校再編で説明会
https://arikaina.com/_article/202103/high-school-1.html

▼コロナワクチン、県内でも3月から医療関係者の接種を開始予定 高齢者には4月から?
https://arikaina.com/_article/202103/vaccine-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202103/kiji-index.html



メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。
和歌山ではここんとこ感染も落ち着き、第3波と言われたものもいよいよ終わりなのかなという感じです。

しかし関東では相変わらず緊急事態宣言が継続しており、感染も減りそうでなかなか減っていきません。とにかく全国的に落ちついていかないとなかなか緊張感も和らいでいかないので、和歌山では減ったもののまだまだ落ちつかない、そんな感じです。

で、そんななかなか減らない昨今ですが、今月はその原因のひとつじゃないかと思うことをまず大きくとり上げました。



なぜどこも報道しない?



今月まず大きくとり上げたのは、国会議員の秘書の会食の件です。テレビでは一部やってたとこもあるみたいですが、新聞、特に日本を代表するような大手の新聞では、ほんとにやりませんでした。

まあ夜の銀座クラブの件と違い、対象が国会議員という公人ではなく、秘書という私人であるという違いはあります。そのためあまり突っこむと個人情報がとか誹謗中傷だとか、そこら辺を気にしたのではないかというのが考えられるところです(実際、鶴保さんの事務所は本紙への回答でそこら辺のことにふれてきました)。

ただ公設秘書であれば給料も税金で支払われてるわけですし、私設秘書であっても、議員がよっぽど議員以外の仕事でお金稼いでるとかでもないかぎり、給料の原資には税金も混じってるのではないでしょうか。

緊急事態宣言の出ている東京と、出ていない和歌山という違いもあります。ただだからと言って、じゃあ関東で出ていて和歌山でもどんどん感染者が出ている時に、夜遅くまで遊び歩いても別にいいんでしょうか。

ともかく、雇ってる議員が何も言わない・コメントしないというのは、おかしいと思います。

鶴保議員の事務所のように事実と違うと主張されるのであれば、むしろ積極的に会見でも開いて堂々とそれを主張すればいいはずです。でもしない。文春さんの報道以降、私以外にも取材を申し込んだところがあってもおかしくないと思いますが、鶴保議員も何もコメントを出しません。ホームページでも、この件について一切ふれていません。

でも鶴保議員の事務所はまだ、文春の取材にも、私の取材にも答えてはいただけました。門議員の事務所は文春の取材には回答せず、私の取材にも、まあ、ほぼ答えていないと同じといっていいでしょう。

鶴保議員の事務所の回答でも、会食したことは否定していません。文春で三次会までと報道されたのも、会場についてひとつ否定しただけです。門議員の事務所は、否定どうこう以前に答えていません。

否定しないということはその通りということで、関東で緊急事態宣言が出ていた時に、国会議員の秘書3人が、和歌山で夜にお店をハシゴしていたということで書き進めさせていただきます。

たしかに、感染した方への差別的な言動は問題です。ですがだからといって、それでなくても国民にあれやこれやと自粛だ制限だと要望されている中で、国会議員の秘書が夜遅くまで遊び歩いていたのを批判してはいけないのでしょうか?

差別と批判は違います。何でもかんでも誹謗中傷にしてしまっては、あるべき批判もできません。「バレたって、『誹謗中傷になる』で守ってもらえるから」では、軽率な行動の抑制にもつながりません。

関東では感染者数が下げどまりのような状態が続いていますが、同時に、各地の人出が宣言前と同様、あるいは増えていると報道されています。

ちょうど1年前、有田でクラスターが出たあと、有田市民病院で感染症を専門にされている吉田さんにお話をうかがって記事にしました。「感染症対策は、病院だけでは難しいものがあります。住民、国民全員がやらないと、封じ込めるのは難しいです」

1年経って、つくづくこの通りだと思います。社会全体が協力する必要があるのに、それをしないような大人の行動を批判することが誹謗中傷なのでしょうか?そんなものにまで口をつぐめということになれば、真面目に正直に、自粛やら抑制やら我慢やらしている人たちがバカみたいです。

だいたい、治療薬もなくワクチンも行き渡っていない凶悪な感染症が猛威をふるっている時に、国会議員や秘書たちが夜に遊び歩けるのは、多くの人たちが真面目にバカ正直に、自粛や我慢や抑制をしているからなはずです。

こういう風潮が続けば、そのうち、抑制や我慢が大きな不満となって爆発するのではないでしょうか。バカで正直者な人たちは、頼まれたら断れず協力してくれるありがたい人たちですが、ひとたび「自分たちはいいように利用されていたのか」などと思おうものなら、怖ろしい存在になりかねません。

まあそんなことを思って、今回、文春さんの後を追って記事にしてみることにしました。将来、もしこのコロナ禍のことを調べる人が出てきたときに「和歌山では国会議員の秘書が夜遅くまで遊び歩いていたが、誹謗中傷と言われることを恐れてか、地元メディアはどこも記事にしなかった」とか言われたら、ちょっとシャクですしね。



反対する人は、わるもん?



次は白馬の風車の説明会についてです。私もいろいろ紀北〜紀中の風力発電の説明会に参加してきましたが、今回のはその中でも最低にひどかったです。どんくらいひどいのかは記事を見ていただくとして、なんでこんなにひどくなるのかをちょっと考えてみたいと思います。

今まで見てきた紀北〜紀中の大型風力発電所では、たいてい、何らかの苦情や被害を訴える人が出ています。以前、業界の関係者に聞いたところでは「たいてい、どこでも苦情出る」そうです。

ですのでこれから作るにしても、反対が出るであろうことは分かっているはずです。環境アセスメントも、何年もかかります。FITもこれからはじまるFIPも、昔に比べたら旨味は減ってきているはずです。それなのに、なぜまだ作ろうとするのか?

ちょうどこれ書いている今日(3/9)、東京新聞のこういう記事がネットに出てました。

再生エネルギー発電比率「周回遅れ」の日本 欧州は20年早く目安到達:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/90302

この記事では特に風力がやり玉に挙げられてますが、期しくも「東京」新聞ということで言えば、まあ中央の人たちからしたら、とにかく再エネの比率を挙げることが大正義なのでしょう。事業者からすれば、自分たちは国の施策にもかなうことをしている、自分たちこそ正義だ、再エネ比率を上げる尖兵だ、ぐらいに思っているのかもしれません。

上の記事からリンクされている記事でもふれられていますが、今、環境アセスメントを簡略化するという話が出ています。河野大臣が熱心にやってるみたいです。もし実現すれば出力の関係で、ここの風車は環境アセスの対象外になる可能性もあります。

国が強力に支援しているとなれば、そりゃ事業者側が強気になるのも無理ないのかもしれません。でなければ、さすがに「こんな説明会、やめることもできるんですよ」とまでは言い放たないでしょう。

最近でこそ風車で被害を訴えている人たちがいることも結構知られるようになってきましたが、こうした背景を考えれば、被害を訴えている人たちはまだまだ厳しい状況に置かれていると思います。そんな声よりも「とにかく再エネ増やせ」の声の方がはるかに強く、被害を訴える声などかき消されてしまいそうです。

しかし再エネが進んでいるヨーロッパでも、風車、特に陸上風力には、地元の人たちがかなり反対しているようです。

風力発電、洋上にシフト 欧州各社、日本市場にも熱視線:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020123100319&g=int

和歌山で取材してきた身としては、「そりゃそうだろうな」という感じです。風車と民家の距離について日本よりシビアなヨーロッパでもこれですから、日本の風車近辺の住民の状況なんか推して知るべしというもんです。

もちろん、再エネの比率を上げなければというのも分かります。ですが今みたいな感じでやってたら、余計に計画地の住民の反発を招くだけではないでしょうか。

和歌山のここら辺でも、最初にできた下津の大窪なんか、地元の人たちは「おおそらええことや」といって風車に賛成していたと聞いています。それが実際できてみたら、騒音とか体の不調とかを訴える人が相次ぎ、夜だけでも止めてくれといっても頑として聞いてくれない。ただでさえ過疎の集落から引っ越す人まで出て、よけい廃れる。

ほかのとこでも似たようなことが起こり、被害を訴えた人たちは、ほかで風車の計画が出ると反対するようになりました。それが積み重なって、あとの計画になるほど大きな反対運動が起きています。和歌山だけでなく全国各地に反対運動をしているグループがあり、ちらっと聞いただけの話ですが、全国組織にしようという声も出ているそうです。

今のままでは環境アセスの簡略化などやったところで、さらに反発を招き、余計に反対運動が激化するだけのような気がします。国もそうですが事業者の方も、過去の事業者がやってきたことによる重い十字架を背負っていることを、まずご自覚されるべきなのではないでしょうか。でないと結局、再エネの比率も上がっていかないと思います。

ただまあそうは言っても、東京とか都会・中央の方では、風車を建てる方が正義の味方で反対している人たちは悪役、再エネの比率が上がらないのはこういう人たちのせいだ、みたく見られてるのかもしれません。そんな視線も感じつつ、田舎のメディアとして、風車のこと取材していきたいと思います。



というわけで、今月はここら辺にしておきます。ワクチンも、今週か来週くらいには和歌山で医療関係者への接種がはじまるみたいで、ほんとにいよいよだなという感じです。

少し前に仁坂知事が、ワクチンについてマスコミの報道ガーみたいなこと言ってましたが、私はたぶん、その辺はあまり心配しなくてもいいんじゃないかと思ってます。日本の大衆は基本真面目で正直です。何軒もハシゴしているような人たちの方がまれなのです。

それより実際のワクチンの効果や、人種や民族的に何か差異が出たりしないのかとか、そっちの方が心配です。問題ない、あるいはまあまず実用していけるということになれば、変異種とかの心配はあるにしても、本当にゴールが見えてくることになります。

もちろんそれでも時間はかかりますが、先が見えているのと見えていないのとではどえらい違いです。たとえば5年なら5年で、どんなものにどれだけの支援ができるかとか、そういう計算ができるようになってきます。そうなれば抑制策も、もっと思い切った手も打てるようになるはずです。

ただまあワクチンで何か問題が出てしまうと、また振り出しに戻ってしまうことになりますが…そうならないことを祈りつつ、接種券が来るのを楽しみにしているバカの1人でした。それではまた来月〜

有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
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