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Arikainaメールマガジン 2021/6号(2021/6/10発行)


Arikainaメールマガジン 2021/6号
皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com


▼コロナワクチン 有田・海南でも、順次次の段階へ
https://arikaina.com/_article/202106/vaccine-1.html

▼東京オリ・パラ事前合宿 県、カナダ・オーストラリアに最終確認"
https://arikaina.com/_article/202106/olympic-camp-1.html

▼和歌浦の工事で重要湿地に影響か 専門家が希少生物への影響を懸念
https://arikaina.com/_article/202106/wakaura-1.html

▼風力発電所について、住民や議員が県の担当職員と話しあい
https://arikaina.com/_article/202106/windmill-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202106/kiji-index.html



メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。
なんとか感染もかなり落ちつき、もちろんまだまだ油断はできないものの、とりあえずやれやれな感じです。5月からはワクチン接種が本格的にはじまり、今月号でもアクチンのことにかなり紙面を割きました。というか、当面この感じでやると思います。

今のペースでいけば、おそらく県民全体にワクチンが行き渡るのもそう遠いことではないと思われます。4〜5月からはじまって約1か月、これですでに10万回ぐらいになってます。有田・海南でも6月からはすべての市・町で個別接種もはじまりますし、現場ではやってるうちにノウハウもできてくるでしょうから、ここからさらにペースは上がるはずです。

仮に1か月20万回のペースであれば、県内の高齢者全員分、残り50万回ほども2か月半で達成です。国の言っている7月末には間にあいませんが、8月半ばぐらいには達成できることになります。

さらに幸か不幸か和歌山は高齢者率が高いですから、高齢者が終わればそれだけで全県民の1/3が終了です。残りだいたい60万×2回で120万回。同じペースなら、半年で全県民への接種完了です。しかもこれ「全員」の場合の話です。実際には打てない/打たない人が出るため、もう少し数は少なくなります。広川町での話ですが、79歳以上で80%ぐらいの方が接種を希望されてるとのこと。

全年齢層で仮に70%が打つとすれば、早ければ年あけぐらいには希望者にはほぼ行き渡り、いわゆる集団免疫を達成できると思われます。もう少し低くみて月に15万回としても2割5分増しで、来年の春ごろにはいけるんじゃないでしょうか。もっともそんな机上の算数通り行くとは限りませんし、1回目と2回目の間を3週間あけないといけないので、最後のとこは+1か月ほどかかるでしょうが。

集団免疫に十分な数になれば、生活もかなり変わってくるはずです。まあ和歌山が達成してもおそらく京阪神はまだでしょうから制限は残るでしょうが、医療従事者の方も休みがとれるようになり、食いもの屋さんも普通に営業できるようになるでしょう。今までの反動もあって、消費マインドも相当上向くのではないでしょうか。

あとはワクチンのブツがどんだけ来るかですが、先日の仁坂知事の直談判のおかげなのか、県内に来るの分かってる分だけでも高齢者全員分を大幅に上回る量が来ます。日本全体でみても、厚労省が5月に出した資料によると(*1)、すでに供給が決まってる分だけでもモデルナが5,000万回分/アストラゼネカが1億2,000万回分(国内製造分ふくむ)/ファイザーが1億4,000万回分あります。

これに加えてモデルナとファイザー、さらにノババックスからあわせて2億5,000万回分くらい供給できるよう協議しています。来る時期にもよりますが、おそらくワクチンが足りなくなることはないのではないでしょうか。むしろ打つ方が追いつかない、ぐらいの状態になる可能性の方が高いと思われます。

接種の方も、先月末の日刊スポーツさんの記事によると、すでに全国で1日に50万回のペースになっています(*2)。これも今後ペースが上がっていくでしょうから、仮に1日70万回とすれば、1億人×2=2億回を70万で割って、286日で国民全員に接種できます。7割の1億4,000万とすれば、200日で達成です。

ひところはワクチン打つだけでも数年かかるんじゃないかとか言われてましたが、もし来年以降に定期接種が必要になったとしても、割と現実的な数字になってきたのではないでしょうか。遅い遅いと言われてた日本のワクチン接種ですが、実際にはじまってみれば、実務能力という点では日本も底力みせていると思います。



回数をほんとに把握できてるのか?



で、いきなり日本全国からローカルに話戻りますが、今月号では有田・海南の各市・町にワクチンの接種人数を聞いて、市・町ごとの接種率を出してみたのですが、その取材の際に少々気になったのが「各市・町でほんとに接種数を把握できてるのか?」という点です。

どこも電話でうかがったのですが、即答できたところもあれば、そうでないところもありました。特に個別接種の分に関しては「集計できていない」というところもありました。

「計算しないと分からない」というところもありました。このお答えからしますと、ひょっとしたらエクセルみたいな表計算ソフトに数字落とし込むとか、そういうのすらできてないのかもしれません。数字落とし込めてれば、集計なんか範囲を選択するだけで一発です。電話しながらでも、「少々お待ちください」で済む話です。

で、もし数字の把握がそういう状態の場合、毎日発表されている接種率も、実態はどうなんだという話になってきます。国ではVRS(Vaccination Record System)というワクシン接種記録システムを提供しているのですが(*3)、ホームページで河野大臣が解説しているところによると、誰がいつ打ったかという情報は、あくまで市区町村が管理するようになっています。

まあ実態が多い方にブレてればさほど大きな問題ではないかもしれませんし、私が知らない/分かってないだけで実際にはしっかり情報が把握されるようになってるのかもしれませんが(しててほしい)、少なくとも今までに何人打ってるかとか、それがすぐ答えられるぐらいには管理できてないとあかんのちゃうかなというのは、取材してちょっと思いました。

今の状況ではとにかく巧遅より拙速なのかもしれませんが、もし実態が少ない方にブレてた場合は問題です。公表している接種率が実際にはもっと少ないということになりますし、同じ状態が累積していくと、時間が経つほど実態と解離していくことになります。集団免疫を目指すというのが大命題なのですから、これはマズいです。

というかあのVRSの数字はホームページで見られるのですが、都道府県単位でしか見れないんですよね。あれ市町村単位で見られるようにした方がいいと思うんですが。今回の本紙の集計もあくまでざっくりとしたものではありますが、それを加味しても、有田市はやや出遅れてる感じがしました。そういう数字が分かった方が、ワクチンへの関心も高まるでしょうし、自治体へのプレッシャーになることで、接種率も上がっていくと思うんですけどね。

というわけで、今月はこれぐらいにしておきます。なんかコロナのことではじめて前向きなメルマガを書けたような気がしますが、もちろん集団免疫ができればそれで終わりというものでもないでしょうし、新たな変異種の脅威 vs ワクチンの改良・新造といういたちごっこも続いていくのかもしれませんが、それでもおぼろげながらでも、ゴールが見えてきたような気はします。

それもこれも、接種の現場でがんばってる方々のおかげです。和歌山も接種率全国1位ということでメディアによくとり上げられ、仁坂知事もこのところ強気な発言が目立ってるような気がしますが、県内で言えば北山村の例とか、人口が少ないところの方が早く進むのは、まあそりゃそうかなという気もします。

先の政府のページでみても、1回目の接種率が10%越えてるのはどこも人口が200万以下、多くは和歌山のように100万前後のところです。人口比で考えれば岐阜とか福島、岡山、熊本といったあたりがかなり奮闘してるように思います。

東京なんか1回目の接種は率では6%ほどですが、数で言えばすでに和歌山県の人口ぐらい打ってます。いくら打ち手の数も多いとはいえ、現場は相当奮闘されてるのではないでしょうか。

先月号のメルマガでCOVAXを〜みたいなこと書きましたが、日本もここにきてCOVAXへの大規模な支援、さらにはじめて海外(台湾)へのワクチン供給も行いました。日本の国力からすれば当然というかもっとやらなければいけない立場だと思いますし、中国に対抗してみたいな話もありますが、理由は何であれそういう方向に力入れだしたのは、遅まきながらいいことだと思います。

先日はイギリスのジョンソン首相が、「来年末までに全世界でワクチン接種」をサミットで提案すると報道がありました(*4)。本来は最初から全世界規模で考えないといけない話のはずですが、ようやくここまで来たのかなという感じです。

また一気にローカルに戻りますが、たとえば北山村が終わったら、村内で接種していたスタッフがまだ終わってない周りの町や村の接種を手伝い、さらに終わったらそのまた周りの…みたくしていけば、どんどん早く終わるようになっていきます。国単位でも、ある国が終わればほかの国の接種に強力にコミットするような形が出てくれば、来年末までというのも、あながちスローガン倒れに終わらないのではないでしょうか。

人間、先が見えてくれば「もっとがんばろう」という気になりますし、我慢もしやすくなるというもんです。夏にはまた流行すると言われてるみたいですが、とりあえずこのまま接種が加速していくのを祈りつつ、それではまた来月〜
※次号は7月10日(土)発行です。

(*1)第20回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会「我が国における新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施状況」2021年5月14日
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000779398.pdf
(*2)ワクチン接種1日50万人に加速、救命救急士ら新たな打ち手も確保へ  - 社会 : 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/general/news/202105310001006.html
(*3)ワクチン接種記録システム(VRS)について | 政府CIOポータル
https://cio.go.jp/vrs
(*4)「来年末までに全世界で接種」 英首相誓約をG7提案へ:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP662W2ZP65UHBI02P.html

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