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Arikainaメールマガジン 2021/7号(2021/7/10発行)


Arikainaメールマガジン 2021/7号
皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com


▼コロナワクチン 入荷の見通し立たないも、体制は整う
https://arikaina.com/_article/202107/vaccine-1.html

▼熱海で大きな土石流が発生 大雨の時に気をつけるべきことは?
https://arikaina.com/_article/202107/debris-flow-1.html

▼有田川町の医療機関が分娩を休止へ 有田地方、お産ができる施設がゼロに
https://arikaina.com/_article/202107/birth-1.html

▼有田・湯浅の警察統合で説明会…が、一部の住民にしか知らされず
https://arikaina.com/_article/202107/police-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202107/kiji-index.html



メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。

県内でもこのところまた少し感染者は出ていますが、先月からかなり落ちついた状態が続いています。とはいえ今までのパターンからすると、多くの専門家が指摘されてるように今月〜来月あたりにまた山が来るのかもしれません。今月もまた、ワクチンについてかなり紙面を割きました。

先月のメルマガで、このペースでいけば全国民にも200日で〜とか書きましたが、あれからどんどんペースが上がって1日100万とかになり、菅総理も「11月までに」とか言い出しました(*1)。記事にも書きましたが有田・海南の市町でも、ペース的にはそれぐらいでいける体制になっていたようです。

ところが残念ながら、ここに来てワクチン不足です。さんざん早く早く言っときながらどーなってんだ!となるのは当然ですし、メディアの取材で怒りをあらわにしているような市長さんとかもいました。ここんとこ毎号、ワクチンの記事のために地元の市町の方に電話取材してますが、ちょっと怒ってる感じのご担当の方もいらっしゃいました。

ただまあ別に国を擁護するつもりはないのですが、今の日本の立場ではファイザー社やモデルナ社にお願いしてワクチンを売ってもらってるようなもんでしょうし、そのファイザー社やモデルナ社は、世界中のいろんなとこから同じようなお願いをされているはずです。お金のある国にだけ売ってりゃいいってもんでもないでしょうし、そんなことしてたらいろんなとこからボコ叩きにあいかねません。

この前も大阪の吉村知事が、河野大臣に「感染が広がっている大都市部に優先してワクチンを配分してほしい」と要望していたそうですが(*2)、んなこと言ってたら日本なんか後回しにして、インドにもっと回せって話になります。

ファイザー社の場合、日本向けのワクチンはドイツとベルギーで生産されているそうです(*3)。要するに両国は、国内で生産している数千万回分のワクチンを日本に向けて供給している、いや「くれている」わけです。一方日本が海外に供給したのは、ロイター通信の報道によると台湾やASEAN諸国へ合計1100万回分「だけ」です。

まあ日本は売ってるわけではなく無償提供ではあるわけですが、それにしたって、今世界中で嘱望されているワクチンの供給に関して、大いに貢献できているとは言い難いものがあります。にもかかわらず自分とこには早くいっぱい欲しいなんて言ったところで、そうそううまく話が進むとも思えません。実際にファイザー社やモデルナ社と日本の誰がどう交渉しているのか分かりませんが、相当ご苦労が多いのではないかとしのばれます。

日本への供給に関して小々予定通りにいかないことがあったとしたって、全然不思議なことではないはずです。平時ではないのですから、むしろ予定通り滞りなく進むとか、そんなことを期待or想定している方がおかしいぐらいなんじゃないでしょうか。

来ないものは来ないんですから、まずは手元にあるものでできることをしっかりやっとくことだと思います。記事にも書きましたがすでに7月12日までの県内への配送分だけでも、全県民の半分が2回打てる分量になってます。これを全部打つだけでも、高齢者の希望者全員+αぐらいまでは行くはずです。

まだ集団免疫とまではいかないでしょうが、終わっている医療関係者分と加え、それだけでも効果は期待できるのではないでしょうか。重症者が減るだけでも、医療現場はかなり負担が減るはずです。

で、いきなり私事で恐縮ですが、私も先日コロナワクチン打ってきました。おととい、2回目も終わりました。

一応まだぎりぎり40代でして本来なら順番的にはまだまだなのですが、高齢者施設でバイトしてまして、そこで接種できるというので打ってきました。しかし接種の現場は、想像してたのとはかなり違ったものでした。で、自分の接種の顛末をちょっと書いとこうと思います。

まず、接種の前に予診票と説明書をもらいます。これは厚労省が出してるやつで、全国共通のものです(*4)。が、担当者が忘れたのか説明書が入ってませんでした。それだけだったらケアレスミスなのですが、事務の担当者に「予診票に『説明書を読んで』という項目があるので、説明書がほしい」と言ったところ、説明書を渡さずに「じゃ、そこマルで…」とか言い出したのです。もう1回言って、やっと説明書をもらえました。

で、実際に接種する日。予診票には「医師の診察・説明を受け、接種の効果や副反応などについて理解した上で、接種を希望しますか」に「はい」「いいえ」を付ける項目があります。要するに本人同意です。

ところがその予診票を病院の受付に持っていくと、「その項目が抜けている」と言われます。私が「医師の診察・説明を受け、と書いてます」と言うと、「受けるんですか?じゃ…」と言い出して、あろうことか勝手に「はい」を付けようとしたのです。私は強く言って、その項目はそのままで、医師が事前に説明するように言いました。

接種の順番が来て医師の前に行くと、第一声が「なんか、説明を希望されてるんですって?」この時点でかなり嫌な予感がしましたが、一応、そっからのやりとりを記しますと、

「医師の説明を受け、と書いていますが…」
「受けた方がいいですよ」
「それが説明なんですか?普段、説明とかしてないんですか?」

どうやら私の最後の一言でキレたらしく、

「あのね、ニュースとか見てないんかな。1人4分で、とかやってるでしょ」
「説明を、と書いてますが…」
「だからそういうのは、ニュースとか見て勉強して。一から全部説明しろって言うの?」

さすがにこりゃもう運が悪かったと思うしかないなと思い、まあもともと打つ気満々ではいたので、「じゃあもういいです。打ちます」と言うと、「ほんとに打つんですね!」と大声で言われ(怒鳴られ)ました。予診票には医師記入欄もあり、「本人に対して、接種の効果、副反応及び予防接種健康被害救済制度について、説明した。」という記載があり、医師が署名または捺印するようになっています。

2回目の時には言ってもムダだろうなと思って、全部「はい」にして出して打ってきました。医師には「1回目のあとどうでしたか?」とだけ聞かれましたが、接種の効果や、救済制度についての説明など一切ありませんでした。当然と言いますか、ものすごく早く終わりました。4分どころか、2分もかかってなかったと思います。ほかの人の出入りを見ていても、それぐらいのペースでした。

説明書の件とあわせて、少なくともここの病院は、本人同意に関してものすごくルーズであるということは間違いなく言えます。和歌山市の病院でしたので、一応和歌山市のホームページから「おかしいんじゃないですか」みたいな意見は送っておいたのですが、「不快な思いをさせて申し訳ありませんでした」みたいなお答えだけで、本人同意の部分については一切ふれていませんでした。

やってもいないことに同意を求めたり、やってもいないのにやったことにして、サインしてお金もらったりしてることを問題でないと考えているのであれば、そちらの方が問題だと思います。さすがにどこの病院でもこの調子ではないでしょうが、接種率で全国一位でしたとか言っても、こういうの目の前で見てしまうと「そら早なるわ」という気にもなってきます。

で、さらに私事続きで恐縮なのですが、2回目を打つ朝になって、今度は私の住んでいる海南市から電話がかかってきました。

記事にもしましたが、海南市ではキャンセルが出た時に備えて登録制度をもうけています。ワクチンをムダにしないよう、キャンセルがあったら連絡してかけつけて打ってもらう、というやつです。

私も登録していたのですが、上述の通り打つことになったので、1回目を打つ前に市の方に連絡しました。ところが電話では「打ってほしい」という話です。

「もう打ちました。連絡もしてます」と答えると、「あ〜すいません」と言って終わりました。ところが、今度は昼頃に電話がかかってきて、「えーと、明日なんですけど、◯◯に◯時に…」とか言うのです。

「それ朝断りました。ほかで打つことも連絡してます」と言うと、「あ〜すいません(またかよ)」で、今度は「どうなってるんですか?」もちょっと言っときました。

もちろんケアレスミスの可能性もありますが、少なくとも、朝電話してきた人・昼電話してきた人・ほかで打つことを連絡した人、3者間で2回、必要な情報共有がなされていなかったことになります。朝・昼の電話の対応からしますと、共有がなされていないというより、情報が間違って伝わっていた可能性もあります。

ついでに言いますと「明日」と言ってましたから、おそらくキャンセル分ではないのではないでしょうか。市の募集では「1〜2時間以内に会場にかけつけて接種できる人」となっていました(*5)。

保管方法の関係で早く使わないといけないワクチンが出てきたというのも考えられますが、それでも早目に分かっていれば、基礎疾患のある方なり、エッセンシャルワーカーの方に回すなりできたはずです。推論に推論を重ねるみたいになりますが、何かしら人為的なミスがからんだものでなければいいな、とは思います。

先月のメルマガでも「市や町で、打っている数をきちんと把握できているのだろうか」みたいなことをちょっと書きましたが、今月は実体験として、小々心もとない気分になりました(笑)。

さてそんな感じで、今月は私事が多くなり恐縮なメルマガになりました。もちろん私個人に起こった一例ではありますが、ワクチン打つのを楽しみしていただけに、小々残念なことでした。

一応、私が「こんな感じかな」と想像していた接種の流れも書いておきます。

「接種に同意される、ということでよろしいですね?」
「はい」
「疑問や、不安に思われていることはありませんか?」
(あったら話す、医師がそれに答える)
「じゃ、こちらの『はい』にチェックしてください」
(接種)

みたいなのです。
予診票には救済制度のことも書いてありますのでそれの説明も必要なはずですが、これぐらいが普通じゃないかと思うのです。実際、全国の会場ではどんな風にやってるのでしょうか?

私もさんざん紙面で接種率が◯%とかやってきましたが、いくら早くやらないといけないと言っても、本人同意については厳重にやるべきだと思います。私みたいに打つ気満々の人であればともかく、まだ少し迷いやためらいがあるような人がああいう病院に行ったら、その場でやめてしまうこともあり得るのではないでしょうか。まあ私はもし来年以降も打つことになったとしても、あの病院ではもう絶対に打ちませんが(笑)

ワクチンも少なくなったとは言えまったく入ってこなくなるというわけではなさそうなので、次の山が来るまでに、接種もどんどん進んでいくことを期待したいところです。それではまた来月〜
※次号は8月10日(火)発行です。

(*1) 衆議院インターネット審議中継「2021年6月9日 (水) 国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)」
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&media_type=&deli_id=52455&time=1002.0
(*2) 大阪・吉村知事「ワクチンは大都市部に優先配分を」政府に要望へ(毎日新聞)- Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/
d36da083a60645de4bd
53d60f266a636a4d880a5
(*3) ファイザーとBioNTech、COVID-19ワクチン『コミナティ筋注』の日本における製造販売承認を取得
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2021/2021_02_14.html
(*4) 新型コロナワクチンの予診票・説明書・情報提供資材|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_yoshinhyouetc.html
(*5) ワクチンを無駄にしないために協力者の募集をします/海南市
https://www.city.kainan.lg.jp/corona_virus/vaccination/3350.html

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