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Arikainaメールマガジン 2022/4号(2022/4/10発行)


Arikainaメールマガジン 2022/4号

皆様こんにちは、Arikaina発行人です。今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com


▼説明会、各地域で1回ずつだけ…IRカジノ、県民にほとんど説明ないまま議決に突入
https://arikaina.com/_article/202204/casino-1.html

▼コロナワクチン 3回目は順調も…小児への接種、低水準にとどまる
https://arikaina.com/_article/202204/vaccine-1.html

▼湯浅町が小・中学校の給食費を無償化
https://arikaina.com/_article/202204/school-lunch-1.html

▼休業要請がなくてももらえる…かも?事業復活支援金
https://arikaina.com/_article/202204/rivival-business-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202204/kiji-index.html


メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。

今月はまたお詫びからです。先月号の小学校のオンラインの記事で、八幡小学校の読みが「やわた」になっていました。正しくは「やはた」です。せっかく取材に応じていただいたのに、本当に申し訳ありませんでした。

先月号の配布から感染も減少傾向になり、今月号も配布は通常通りとさせていただいています。ただ発行直前になってまた増加傾向になってしまい、正直ちょっとビクつきました(汗)。この分ですと、来月号の配布はまた微妙になるかもしれません…

記事でも書きましたがワクチンの3回目接種はかなり順調に伸びているものの、小児の接種がびっくりするほど進んでおらず、増加傾向になったのと新学期がはじまるタイミングが重なったこともあり、また学校やこども園でクラスターが頻発しないか心配です。

しかし慣れというのは怖いもので、減少傾向とはいえ余裕で1日100人とか超えてたわけですから、ほん3か月ほど前なら「なんじゃそら」ってなもんで、イベントだの旅行だのはもう自粛の嵐になってたはずです。でも4月から県は新しいリフレッシュプランはじめてますし、イベントとかも中止になってるのも多いですが、結構開催されてる気がします。

世の中広いもんで、なんか「歓送迎会を積極的に開きましょう!」とか言ってた知事さんもいるみたいなので(そこの市長さんは否定してたみたいですが)、ほんとに慣れというのは怖いもんです。なんかもう、感染を抑えたいのかもうそういうのせんでええのか、ちょっとよう分からんような雰囲気になってきている気がします。

たしかに今のオミクロン株が重症化率が低い・毒性が弱くなってるのは事実なので、もうそういのせんでええやろ派の方が支持が高まるのは無理ないのかもしれません。ただ一旦ええやろ派の方についてしまうと、やっぱ抑えなきゃ派の方に戻るのはちょっと難しいんじゃないか、という気がしなくもありません。

で、この前コロナのことでちょっと気になる記事がありました。4回目の接種では、どうも効果があまり長続きしないのではないかという研究が出ているらしいです。

CNN.co.jp : 新型コロナワクチンの4回目接種、予防効果は短期的か イスラエル研究
https://www.cnn.co.jp/fringe/35185945.html

なんかせいぜい2か月くらいしか効果ない?ということで、もしこれがホントだとすると、効果をずっと維持するためには年に6回接種です(笑)まあそれはさすがに現実的じゃないでしょうが、ただオミクロン株に対応したワクチンもまだ出てきていませんし、その前にまたBA2だのXEだの、要注意とおぼしき変異株が確認されてるという状況です。

そうなると「ワクチン打ってもあまりorほとんど効果ない」というような状況、これは結構現実的に起こりそうな気がします。そうなると実質、またワクチンがなかったころに逆戻りです。もしそうなったときに、もうええやろ派の人たちがやっぱ抑えなきゃ派の方に回ってくれるのか、頭じゃ分かってるけど…みたいなことにならなければ、という気はちょっとします。


今月はもうひとつ、というかここんとこずっとそうですが、IRカジノのことを大きく記事にしています。先月は何度か県議会や市議会を見に行ったのですが、こんなバタバタと期限ギリギリで申請するのでは、仮に認定されてIRカジノができたとしても、どこかで大きな問題を残すことになるのではと思います。とにかく、近隣への説明がなさすぎます。もう国に申請して計画案が決まってから説明しますでは、それはもう説明ではなくて説得です。

で、計画の内容自体で私が今焦点になっていると思うのが、事業者側が金融機関(クレディスイス)から取得したという highly comfident letter (ハイリー・コンフィデント・レター=非常に自信があるという手紙)という一通のレターです。事業者はこれで3,000億円ほどを調達する(借り入れる)と主張しています。それこそ自信満々です。

3,000億円というのは全体の投資額の7割ぐらいですので、このレターでもってほんとに資金を集められるのかどうかが大きなポイントになってきています。IRカジノが実現するかどうか、この一通のレターにかかっているといっても、あながち大げさではないと思います。

この highly confident letter というものについて調べてみたのですが、ネットで検索してもそんなに情報は出てきません。金融関係の大学教授さんとかにも聞いてみましたが、その言葉自体はじめて聞いたとか言われました(笑)なんかどうも、資金調達の方法としてそこまでメジャーなものでもないのかな…というのが正直な感想です。

で、情報は少ないながらもこの highly confident letter について調べてみると、ぶちあたるのがマイケル・ミルケンさんという方です。80年代ごろにウォール街で活躍した金融マン?だそうで、人呼んで“ジャンク債の帝王”信頼性は低いがもうかったらデカいという債券=ジャンク債をうまく使って大もうけした方らしいです。

highly confident letter というのは、このミルケンさんが考案したもののようです。ジャンク債もそうですが、要は信頼性の低い案件でも投資をあつめるためにどうするかという中で、金融機関が自信を持ってますという手紙を使って投資をあつめることを考え、成功させたーーというものらしいです。ミルケンさんはそうやってあつめた投資を主に企業買収、それも敵対的な買収に使い、当時の企業人に恐れられていたようです。

ちなみにミルケンさんは「世界中の人が彼の世話になった(意訳:そんだけ大もうけした)」との理由で、栄えある第1回イグノーベル賞の経済学賞を受賞されています(笑)のちにインサイダー取引で投獄され、トランプ前大統領の恩赦により赦免されたそうです。

創始者であるこのミルケンさんの経歴をみてもそうですが、どうもこの highly confident letter というもの自体が、あまりポジティブな意味で使われているような用語・手段であるようには、私には見えませんでした(もちろん私は門外漢もいいとこですので、あくまで調べてみたかぎりでの感想です)。

たしかに和歌山の事業者のように highly confident letter を得ています、みたいのを売りにしてるっぽいプレゼン資料とか、どこそこの開発で highly confident letter が出ているみたいな業界紙の記事っぽいのとか、そういうのはありました。資金調達の方法として、まったく使われていないものではないと思います。

ただひとつ調べてみて思ったのは、highly confident letter は、何かしらの条件がそろえば自信をもってお金をあつめられます的な書類ではないかということです。和歌山のIRカジノで言えば、国からカジノのライセンスを取得できれば、それ自体を材料として資金をあつめることには自信があります、というものではないかということです。記事でもふれましたが、事業者の方が言っていた「レターとライセンスの2つがあれば資金を調達できなかったことはない」というのも、そういう意味なのではないかと推察します。

実際のレターにどんな条件が書かれているかは分からないのであくまで想像ですが、もしそうだとすれば、国が求めているような資金調達の裏付けとは少々性格のちがうものなのではないのかなという気はしました。事業者側が言っていたようにライセンスの取得前に融資確約書をとるのは難しい、で済むのであれば、国も最初からそういうものを求めないはずです。難しくてもそういうものを求めている(とってこい)、ということなのではないでしょうか。

仮に「ライセンスが取得できたら、そこからお金をあつめる」というのがIRやゲーミング業界でよくあることだったとしても、これはもうほんとにニワトリか卵かみたいな話ですが(higly confident letter のことを、そう例えている記事もありました)、選ぶ方がニワトリを出せと言ってるのに卵の方を出すのでは、それがいくらいい卵であったとしても、認められるのはちょっと難しいんじゃないかなという気はします。


そんなわけで、今月はこれくらいにしておきます。慣れはこわいということで言えば、大きな戦争が起こっていることですら、もう日常になってしまっています。一時期はちょっと話し合いで進展があったみたいですが、民間人がかなり犠牲になっていることがあきらかになり、停戦にはまた遠のいてしまった印象です。

もちろん許されないことですが、やっぱり戦争って、ああいうものなのかなという気がします。実際に戦地で、軍隊の中でどういうことが起こっているのか分かりませんが、慣れるとか何とかそういうのを通り越して、通常では決してしないような判断や行為が行われてしまっているのではないでしょうか。とりあえず首都決戦みたいな事態は避けられたようですが、とにかく一旦戦火が止むように、テーブルに付くことは続けてほしいと願います。とにもかくにも止めないと、また同じようなことが起こりかねません。

考えてみれば、今はただでさえコロナで非常時だったところに戦争という非常事態が重なっているわけで、今後は食料品とか半導体とか、生活に身近なところでも戦争の影響が出てくるかもしれません。ロシアからのエネルギーが止まれば、日本でも輪番停電とか検討されるのではないでしょうか。

そこにまたコロナの感染拡大でも起こったら…と考えると、今は攻めるより守りを固める時期なのでは、という気がします。慣れというのはどうしてもあるものなのでしょうが、その中でもつとめて冷静な判断を忘れんようにせんとあかんな、と感じている発行人でした。それではまた来月〜

※次号は4月10日(日)発行です。

有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
http://arikaina.com
arikaina@gmail.com
〒649-0111 和歌山県海南市下津町方187-10


参考=
観光庁「特定複合観光施設区域整備計画に係る認定申請の手引き」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001417501.pdf
河北新報オンラインニュース「歓送迎会、宮城県職員が率先 知事、会食を公開しPR」
https://kahoku.news/articles/20220329khn000132.html
河北新報オンラインニュース「『知事のような対応難しい』 仙台市長、宮城県の需要喚起策に異論」
https://kahoku.news/articles/20220330khn000003.html THE M&A JOURNAL「LBOs in the UK」
http://www.themandajournal.com/sample_issue/uklbos_1_v3_1.asp
Reuters「LPC-Icahn's bid for Clorox seen as dress rehearsal」
https://www.reuters.com/article/icahn-clorox-idINN1E76L0OW20110722
The Deal: "Financing Issues Doomed Alden's Gannett Bid" - Sidley's Kai Liekefett quoted
https://www.linkedin.com/pulse/deal-financing-issues-doomed-aldens-gannett-bid-kai-quoted-liekefett
Enterprise「Beyond the Rubicon: Highly Confident」
https://enterprise.press/2017/03/02/20551/
Lexology「Snapshot: debt commitment letters and acquisition agreements in Switzerland」
https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=02cd0f14-b379-4a92-8c55-80680c02385f
CorpGov「With Drexel Burnham-Style Bid on the Table, Red Robin Board Could Use a Friend」
https://corpgov.com/with-drexel-burnham-style-bid-on-the-table-red-robin-board-could-use-a-friend/
The Economist「Schumpeter archive | 2011」
https://www.economist.com/node/21004040/2011?page=9
Quartz「Michael Dell should be able to keep his baby after all」
https://qz.com/76137/michael-dell-may-be-able-to-keep-his-baby-after-all/
エキサイトニュース「半導体業界の劇的再編?15兆円の巨額買収を試みるブロードコムとは (2017年11月9日) 」
https://www.excite.co.jp/news/article/Toushin_4418/
NPR「Michael Milken : Planet Money」
https://www.npr.org/transcripts/808280786
Past Ig Winners
https://improbable.com/ig/winners/#ig1991
Casetext Search + Citator「Bedford Downs Mgmt. v. Harness Racing Com'n, 901 A.2d 1063」
https://casetext.com/case/bedford-downs-mgmt-v-harness-racing-comn
New York Post「UNTIL DEBT THEY DO PART: ICAHN FILES SUIT VS. BLACK」
https://nypost.com/2008/12/03/until-debt-they-do-part-icahn-files-suit-vs-black/
DeepL Translate: The world's most accurate translator
https://www.deepl.com/translator

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