Arikaina logo
Arikainaメールマガジン 2023/9号(2023/9/10発行)


Arikainaメールマガジン 2023/9号

皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com


▼「実際はもっと大きい」「地盤の弱いところに建てないで」紀美野町の"分割された7つの発電所"計画が物議
https://arikaina.com/_article/202309/kimino-solar-power-1.html

▼知られざる移民画家・有田川町出身の上山鳥城男さん 県立近代美術館で作品を展示
https://arikaina.com/_article/202309/ueyama-1.html

▼有田川漁協が遊漁券の販売を中止 有田川が、誰でも自由に釣りができる川に
https://arikaina.com/_article/202309/free-fishing-1.html

▼ポイ活や食品表示について学ぶ 生活教養講座
https://arikaina.com/_article/202309/poikatsu-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202309/kiji-index.html


メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。

 今月はなぜか取材のご依頼が多く、それを記事にしていました。大きくとり上げました、紀美野の太陽光発電の記事もそうです。

 本紙では以前から風力発電関連のトラブルを取材することが多かったのですが、ひどい事例をたくさんみてきました。太陽光でも噂ではいろいろ聞いていたのですが、今回、紀美野でお話うかがってみますと、なんか「またか」という感じです。

「50kW以上だと知事の認定が必要な和歌山県で、大きな土地を、全部49.5kWの7つの発電所に分けて計画」なんかギャグマンガのあらすじか何かですかって感じですが、これが実際のことなんですからびっくりするやらあきれるやらです。

 こんなのが許されるのであれば、あらかじめ細かく分けておけば認定が不要になります。記事でもふれましたが、より大きな発電所で必要となる環境アセスメントでは「事業の一連性」という考え方があります。そりゃそうです。環境アセスメントでは入念な環境調査が必要になりますが、「こまかく分ければ回避できる」のでは、制度が骨抜きにされてしまいます。

 FITの認定が書類審査だけ、というのも今回はじめて知りました。紀美野で問題になっているような地盤や周囲の環境については、あまり考慮されていない(と言いますか、ほとんど判断できない)可能性が高いのではないでしょうか。

 それをさし置いても、今回の発電所は管理者はすべて同じ会社になっているのですから、その時点で「待った」がかからなければおかしそうなものです。しかし実際には「すべて綺麗に49.5kWで分けられ、管理者がすべて同じ複数の発電所」がFITの認定を受けているのです。ついでに言いますと、半分くらいは土地の番地もほぼ連続しています。

 これでは、さすがにミスだとすればずさんと言わざるを得ないと思いますし、ミスではないとしたら、認定のシステム自体に問題があると言うべきではないでしょうか。

 あるいは、何かどこかから不思議な力が働いたみたいなことを勘繰りたくもなってきます(紀美野ではそれを疑う声も聞かれました)。実際につい最近、こちらは風力ですが、業者から賄賂を受けとったとして国会議員が逮捕されるという事態が起きているわけですから、あながち現実味のない想像とも言えないものがあります。

 しかしあきれるのはこの業者だけではありません。FIT制度では認定された業者を経産省のホームページで都道府県別に公表しているのですが、ご興味があれば、一度和歌山県のリストをご覧ください。49.5kWの事業がずらーーーっと並んでいるのです。全部が全部、連続した土地のものではないでしょうが。こちらのページでご覧いただけます。

再生可能エネルギー 事業計画認定情報
https://www.fit-portal.go.jp/PublicInfo

 今まで風力のことで取材する中で、ちょっと信じがたいような適当・無責任な対応をさんざん見てきました。山の尾根の木切って大丈夫か、と聞いてきた地元の人たちに「崩れるときは崩れますよ」と答えていたのも聞きました。

 説明会で「録音しないでください」と言いながら、自分たちは「皆様の声をしっかりお聞きするため録音します」と言い出すだの、しまいには「こんな説明会、やらなくてもいいんですよ」と言い放つだの。これ、全部別々の業者です。

 もちろん、再エネを増やさなきゃってのは分かります。しかし長いことこういうの見てきますと、先日の汚職事件もありましたが、再エネに参入してる業者ってどうなのか、というのは率直な感想としてあります。

 皆が皆こういう感じではないでしょうが、はっきり言って「ほとんどほっといてもお金を生むシステム」をつくるために群がっているような人たちもたくさんいる、というのが実態ではないでしょうか。

 記事で書きました土壌調査の業者の方が仰ってましたが、太陽光の世界はすべて前払いだそうです。前払いでないと着工しない。で、できたらほかに売り払う。と言うか、最初から転売するつもりで開発する、ということがごく一般的に行われていると。紀美野の太陽光も、おそらくそうではないかと仰ってました。

 記事ではふれませんでしたが、一部の地主さんはすでに事業者と合意されているらしく、町に申請も出ているそうですので、事業者が早晩工事にとりかかっても不思議ではありません。全部49.5kWごとに分けてというマンガみたいな計画がそのまま通って、実際にできてしまいそうになっているのです。

 要するに再エネに群がっている人たちの姿勢がどうこうと言うより、FITのような有利な価格で買いとる制度をつくってしまうと、それを利用して「お金のなる木」のシステムをつくりあげる人たちが出てきて、システム事態がそういう姿勢のものになってしまっている、ということなのではないでしょうか。

 もっとも、ビジネスとしては「ほとんどほっといてもお金を生むシステム」をつくろうというのはいたって真っ当なことです。むしろそういう仕組みをつくってどばーーーっと参入者を増やそうというのが、国の目論見だったのかもしれません。

 ただそうであったとしても、いやそうであればむしろなおさら、土壌の悪いところに建てようとしたり、分割して面倒な手続きを省こうみたいなことが見えたときには、厳しく対応するべきではないでしょうか。それでも再エネを増やすことの方を優先するとなれば、それはもはや、一部の人たちに犠牲を強いることを認めてしまうようなものです。

 太陽光ではここらでは聞いたことないのですが、風力では、自宅に住めなくなって引っこしたり、夜間だけほかに移動するようになったり、そういう人たちが有田や海南にも実際にいらっしゃいます。100歩ゆずって発電所が直接の原因とは特定できなかったとしても、風車ができてから同じようなことを訴えている人があちこちにおり、風車から離れると治るということを言っている人、これもまたあちこちにいらっしゃるのは事実です。

 くり返しになりますが国や行政も、せめて申請の中身に問題がある(あった)場合は、事業者に対して厳しく対応するべきではないでしょうか。どれだけ再エネを増やさなくてはならなかったり、申請件数が多くて事務が大変だったりしても、です。だっていったんトラブルが起こってからでは、国や行政から、何のケアも支援もないわけですから。


 と言うわけでなんか再エネに対する愚痴ばっかみたいになりましたが、今月はこれくらいにしておきあす。最近、風力のことはあまり記事にしていませんが、調べたり取材したりはぼちぼち続けていますので、またどこかで記事にすると思います。

 それと今月号は久しぶりなのですが、記事広告が2つ入りました。どちらも最初は広告で、というお話だったのですが、内容的には記事としても興味深いものがあり、半分広告・半分記事という感じで作成させていただきました次第です。

 デザインとしては記事そのままになりますが、その分、通常の広告スペースより若干広くお取りしています。記事としても面白い、と思うものであればこういう形で掲載させていだきますのでと、たまにはフリーペーパーらしくちょっと宣伝しておきます(笑)

 これ書いているの10日なのですが、また千葉や福島で豪雨になり、大きな被害が出ているようです。6月に豪雨があってなんかすっかり感覚おかしくなってますが、本来だったらこれからが台風シーズンなわけで、またああいうことが起こらなければと思う発行人でした。それではまた来月〜

※次号は10月10日発行です。

有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
https://arikaina.com
arikaina@gmail.com
〒649-0111 和歌山県海南市下津町方187-10

←このページのコード
[1]このページの一番上へ
[3]前の月のメルマガ
[4]メールマガジンのバックナンバー一覧にもどる