Arikainaメールマガジン 2024/3号
皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。
※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
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▼専門誌の表紙に、バスは完売、ほぼ毎日取材…耐久高校・センバツ出場で大フィーバー!
https://arikaina.com/_article/202403/taikyuu-1.html
有田市の望月市長、ドバイへの視察にビジネスクラスを利用
https://arikaina.com/_article/202403/mochiduki-dubai-1.html
白馬山脈で計画されている巨大風力発電所 事業者が住民説明会を開催
https://arikaina.com/_article/202403/dreamwind-1.html
▼映画「不屈の夏」上映会
https://arikaina.com/_article/202403/invincible-ete-1.html
▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202403/kiji-index.html
メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。
ここ数年はずっとこんな感じな気がしますが、3月に入っても相変わらず寒い日が続いています。で、言ってる間に急に暑くなってそのまま続く、というのがここ数年のパターンになっている気がしますが、ほんと、春ってどこいっちゃったんだろうって感じです。まあ私はこの時期になりますと暑い寒いに関係なく、目や鼻のムズムズで強制的に季節を感じさせられるんですが(泣)
しかし今月は、そんなムズムズをふっとばすような明るいニュースを大きくとり上げました。耐久高校、センバツ出場決定です!
実際には去年の秋の大会でベスト4になった時点で決まってたわけですが、正式に決まって学校で取材させていただいて、私もびっくりするぐらい盛り上がってると感じました。このArikainaをはじめてから、今までも箕島や海南が甲子園に出場してその都度取材させていただきましたが、盛り上がりっぷりは間違いなく今回が最高だと思います。
地元が盛り上がってるだけでなく、注目度は間違いなく全国区です。記事でもふれましたように専門誌の表紙を二度も飾りましたし、メディアでのとりあげられっぷりもかなりのものだと思います。
井原監督も「ネタになりやすい(苦笑)」みたいに仰っていたのですが、たしかに幕末の創設とか創部100年以上で初出場とか、「耐久」という珍しい校名(公立校の校名って、だいたい地名ですしね)とか、たしかに話題にはことかかないかもしれません。でもやっぱり一番は、公立でスポーツコースもない、そんな学校で地元の子らがやってる「ごくごく普通の昔ながらの野球部」が快挙を達成したことに、みんな喝采を送っているのではないでしょうか。
高校野球ファン、特にオールドファンにはそういうのを見たいという方がやっぱり多いのかなと、ネットの反応とか見てても感じました。高校野球と言えば私立の強豪や、公立でも市立和歌山みたいにスポーツ推薦のあるところが上位をにぎわすのが当たり前…そんな風になってもう久しいですが、かつては耐久みたいに地元の子らだけの「ごくごく普通の野球部」ばっかで、そういうチームがしのぎを削っていたはずです。「はずです」と言うのは、私が子どものころにはもうPL学園とかが出てきていて、今のような私立全盛の時代になってきていたからです。
それこそ箕島や池田が覇を競っていたころは、地元の子らによる野球部がしのぎを削り、今よりも「地域対抗戦」という色合いが濃かったのではないでしょうか。ほとんど地元の子らのチームが勝てば、高校の関係者でなくとも盛り上がるのは当たり前ってもんです。耐久のこの盛り上がりも、ひょっとしたら私立全盛になる以前の高校野球ってこんな感じだったのかな、ともちょっと思いました。
もう今までさんざんいろんなところで記事にされていますが、エースの冷水選手はたしかに体格もすごいですが、ほかの子はそこまでごつごつした感じには見えませんでした。ちょっと前に智辯から広島に行った林選手なんか、画面で見てても高校の頃からごっつい体してましたし、強豪校にはああいう子がごろごろいるはずです。
そもそもそういう学校は、いろんなところから野球をやるためにその高校を選んだ子が集まってて、智辯みたいに寮のあるとこだと「ダイヤのエース」でやってたような、24時間野球漬けみたいな生活送ってるはずです(授業はでないとあきませんが)。
耐久みたいなごくごく普通の野球部も、そんな野球部と戦って勝たないと甲子園とか行けないわけで、普通に考えたらそら無理です。実際、和歌山でも智辯とか、公立でも市立和歌山みたいにスポーツ推薦のあるところが上位を争ってきました。
ただこれも井原監督といろいろお話させていただいたのですが、いくら現実にはそうでも、ついでに言えば高校野球はあくまで部活であり教育の一貫であったとしても、最初から負けるつもりでやるわけありません。
甲子園の目なんかほとんどなかろうが、部員が少なくなろうが、それで部費も少なくなろうが、一生懸命練習して朝練もやって、それを、つまり「本気」を続けてきたことで、冷水選手のようにあえてこの学校を選ぶという選手も出てきたのではないでしょうか。「無理が通れば道理引っこむ」と言いますが、実際、どこかで無理が通らなければ、ごくごく普通の野球部が甲子園に行けるわけないと思います。
まあでも考えてみますと梧陵さんの生きてたころも、徳川御三家の紀州藩とは言え、広とか湯浅は十分田舎だったはずです。家業のヤマサも千葉にあるわけで、その気になれば、梧陵さんは関東を拠点にすることもできたはずです。しかし記事でご紹介したエピソードにもありますように、あくまで広にこだわって、堤防や耐久社を残しました。そういう意味では、梧陵さんと冷水選手はどこか似ているところがあるのかもしれません。
和歌山みたいな田舎から、人が多くて便利な都会に人が流れるのは、ある意味当然と言えば当然です。しかし中には梧陵さんや冷水選手のようにその「当たり前の流れ」に逆らう人が出てくるわけで、世の中、それが面白いところだと思います。奇しくも初戦の相手が千葉の代表になったのも、梧陵さんが「千葉の学校に勝ってみせいや」と仰ってるのではないか、抽選会を見ていて、なんかそんな気がしました。
と言うわけで、今月は耐久一色でこれぐらいにしておきたいと思います。ほんと底抜けに明るい話題で、私も取材するのも記事を書くのも楽しくやらせていただきました。関係者でも何でもありませんが、そのことだけでも感謝です。
本紙を毎号ご覧いただいている方は覚えておいでかもしれませんが、去年、箕島高校の野球部を取材させていただいて記事にしました。すでに紅白戦もできない部員数になっており、箕島の北畑監督は他校との合同練習も考えていると仰っていました。今回、耐久の井原監督にうかがったところ、まだ実現はしていないものの、実際そういうお話もされているそうです。
耐久も甲子園に出たことで部員が増えるかもしれまんが、現状の19人というのも決して多いとは言えないでしょうし、やはり全体に子どもの数自体が減ってます。井原監督も「野球だけの問題じゃない」と仰っていました。
有田には公立高校が3校ありますが、3年ほど前に県の教委が高校再編をどうするかみたいな話を湯浅でやってて取材したのですが、あの時の話からしますと、そう遠くない将来に2校になる可能性が高いと思います。
井原監督は耐久OBですが、以前は有中でも監督されていました。有中はすでに部員が足りずに、大会には合同チームでの参加となっています。かつてのあの智辯和歌山との激闘をラジオで聞いていた身としては、やっぱりさみしいものがあります。
そのうちには、有田の高校全体で有田チームみたいな形で参加するようになるのかもしれません。ただ考えてみれば連合チームというのも必ずしもネガティブなものでもなく、たとえば投手のいい学校と打線のいい学校で組めば、結構強いチームになるかもしれません。
その分試合に出られる選手は減ることになりますが、チームが強くなるならそっちの方がいい、という選手もいるのではないでしょうか。いくら教育の一貫とはいっても「勝つ」という目標がなければ、やっぱり面白いものでもないと思います。
せっかく明るい話題でちょっと重くなってしまいましたのでセンバツに話戻しますと、このセンバツから反発係数を抑えた、いわゆる「飛ばないバット」が導入されます。井原監督によると従来のバットより細くなっており、しっかり当てるのが難しいそうです。
点が入りにくくなることに加えてミスの比重が高くなり、要はロースコアでミスした方が負けるみたいな展開が多くなるなら、耐久のように飛び抜けたエースを中心とした守備的なチームには追い風になるかもしれません。それこそ、昔の箕島のような野球です。
このセンバツも楽しみなのですが、個人的には、夏の県大会がめちゃめちゃ楽しみです。去年ああいう結果に終わった智辯は正に意地とメンツをかけて臨んでくるでしょうし、市立和歌山も、あの黄金バッテリーの後は…みたいなことは言われたくないはずです。
そこにセンバツ出場の耐久と田辺、さらに昨年智辯を破った高野山と、ほんとどこが優勝してもおかしくないというような大会になるんじゃないでしょうか。もちろん、箕島も意地みせてほしいです。それではまた来月~
※次号は4月10日発行です。
有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
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