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Arikainaメールマガジン 2024/4号(2024/4/10発行)


Arikainaメールマガジン 2024/4号

皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com


▼有田川町長に署名を提出、一部の地主も反対か どうなる?白馬山脈の巨大風力発電所
hhttps://arikaina.com/_article/202404/dreamwind-1.html

▼和歌山県、昨年の統計で自殺死亡率が全国ワーストに
https://arikaina.com/_article/202404/suicide-1.html

▼有田川町で発見されたワカヤマソウリュウ 全身の復元骨格を作製へ
https://arikaina.com/_article/202404/wakayama-souryu-1.html

▼有田川町の歓喜寺、上品堂の修繕のためクラウドファンディングを開始
https://arikaina.com/_article/202404/kangiji-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202404/kiji-index.html


メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。

せっかく桜が綺麗なのに今年は花粉がひどく、ジョギング中の夜桜しか楽しめていない発行人です(泣) まあ、夜中(夜遅くはだいたい花粉が少ない)にジョギング用のライトで一人愛でる桜というのも、それはそれで乙なものではあります。

今月は、久しぶりに風力発電のことについて大きくとりあげました。

ひところはまたでかい計画が持ち上がった、少したら別のとこで、おいまたかってな感じで次から次へと大型の風力発電の計画が持ち上がり、それもほとんどが有田や海南あたりのことが多く、私もよく記事にしていました。

そんな風車ラッシュもコロナ禍になって少し落ち着いていたのですが、コロナ禍が開けてまた動きが活発になってきたようです。3月は今月号で記事にしましたDreamWindの説明会がありましたし、今月は広川町で、新白馬風力発電の説明会があります。

県内でも風車が集中しているのが白馬山脈です。なにせもう50基ほどが稼動しているのに、さらに50基ほどの風車を建てようと、複数の計画が同時進行しているのです。しかも風車が大型化しており、計画中のものはすでに稼動している風車(2,000kW級)のだいたい培(4,000kW級)になっています。

今、環境アセスメントの手続きが進んでいる大型の風力発電所は県内に7事業ありますが、そのうち4つがこの白馬に集中しています。なぜこれだけ集中しているのか、今回反対活動をしている方とお話しして、ちょっと思いあたるフシがあります。

と言いますのも、ここは風車のために保安林を解除したという「実績」があるってことです。私も'18年と'21年に白馬の風車を見に行きましたが、ちょっと車で走っただけでもキツネさんやシカさんに出会いました。あと、大きなヘビさんも(汗)。

で、そういう動物さんたちを横目にトコトコと細い道を走っていきますと、ところどころでコンクリで整備されただだっ広いところが出てきて、そこに風車が建っています。記事にもしましたようにここらは水源涵養の保安林らしいのですが、いかにもそういうのに指定されそうなところです。

つまり、そういうあまり手つかずだったところの保安林を解除したことで「風車OKですよ」みたいなサインを行政が事業者に送ってしまい、それで事業者が殺到することになったのではないか、と思うわけです。トコトコ走ってるときに「林地開発行為許可」の標識にも出くわしましたが、許可年月が平成30年、開発行為の期間が'18年4月から'21年9月となっています。Arikainaで'20年の6月に「白馬山脈で、またまたまた大型の風力発電所計画」という記事を書いてますので、時期的にもそうなんじゃ?と思ってしまうわけです。

考えてみれば、風車を建てて発電するためには風が強くないといけません。基本、高いところの方が風が強いですから、できるだけ高い山の上に建てる、それも山頂とか尾根に近いところの方がいいはずです。で、そうしたところは自然が豊かだったり、保安林に指定されたりしているところも多いはずです。

そういう意味では、白馬山脈とかは風車を建てるにはまさに「一等地」だったのかもしれません。あそこ行けるぞとなってポコポコ計画が建ったとすれば、なぜ集中するのかという疑問について、合理的に説明はつくと思います。

そういうこともあってか、記事でも書きましたがDreamWindでは方法書の知事意見で「保安林解除に合致しない」ですとか「事業の廃止も含めて見直しを」といった、かなり厳しい意見が出たのではないか、と思います。「このまま解除したら、またボコボコ計画建ててくるかも」みたいなのも、ひょっとしたらあったのではないでしょうか。

しかし方法書の知事意見であそこまで言われたのに、今回の準備書で、事業者は内容をさほど変えて来ませんでした。と言うことは、事業者としてはこの内容でも保安林を解除してもらえると考えている、ということになろうかと思います。

解除する権限を持っているのは知事なのですから、その知事が「このままでは無理です」と言っているのに、またほぼそのまんまの計画を提出してくるというのは、普通に考えれば「なんで?」という気がしなくもありません。

まあ当時とは知事が変わっていますから、ひょっとしたらすでに何かしら現知事とコンタクトをとっているとか、そういう普通じゃないやり方が行われるのかもしれません。そんな穿った見方でもしなければ、ほんとに「なんで?」という気がします。

DreamWindに関しては、地元の反対はかなり大きくなっています。なにせ人口が25,000人ほどの有田川町で、しかもお世辞にも周辺に人が多いとは言えない白馬の風車に、1,300人もの署名というのはかなりのものです。

方法書にも450通もの意見が寄せられていた(ほとんどが反対)ということを考えても、地元の声としては反対が圧倒的と言っていいと思います。地主さんにも反対している方がいるというのを複数の方から聞いていますので、仮に保安林が解除されたとしても、工事に入るには紆余曲折あるかもしれません。

最終的に岸本さんがどう判断するか分かりませんが、このあと環境影響評価審議会による審査があります。方法書の審査でも厳しい意見が出ていましたが、まずは近いうちに開かれるはずの審査でどのような意見が出てくるか、注目したいと思います。


風車はこれぐらいにして、今月はもうひとつ、自殺死亡率のことを大きく記事にしました。今までも何度か県内の自殺について記事にしましたが、とにかく「和歌山は自殺が多い」というのがなかなか変わっていきません。有名な自殺の名所があるとはいっても(まったく影響ないわけではないかもしれませんが)、住所地ベースでみて全国ワーストなのですから、県民の中で自殺を選んでいる人の割合がほかの都道府県に比べて高い、ということになります。

しかしなぜこれだけ長期に渡って改善しないのか、一県民としての感想でしかありませんが、和歌山は少し個人の権利が尊重されない傾向があるのかも、という気はします。

自殺する方というのは大抵は何かしら問題や課題を抱えていて、どうやったらそれを解決・解消することができるかという中で、最終的に自死という選択をされているということだろうと思います。つまり他の選択肢があっても、自死というカードを選んでいるということです。

なぜそういう選択をするのかと考えれば、たとえば経済的に困窮していたとすれば、そういう方を支援する団体もありますし、生活保護といったカードもあるはずです。もの凄くショッキングなことがあって精神的に立ち直れないとかでしたら、カウンセリングを受けてみるですとか、小さなことからでも何かアクションを起こしてみるとか、そういうカードも考えられます。

つまりよっぽど困った問題に直面した場合でも、冷静に考えれば、自死以外のカードがまったくないというのは考えにくいのではないかということです。自殺している人はそれでも自死というカードを選んでおり、和歌山県はそうした人の割合が他の都道府県より高いということは、言い変えればその「自死以外のカード」を選ぶ人が少ない、と言ってもいいかと思います。

ではなぜ「自死以外のカード」を選ぶ人が少ないかというのを考えれば、要は「自分はそういうカードを切る資格がない」とか「そういうカードを切るなら死ぬ方がいい」とか、そういう風に考える人が多いのではないか、ということが考えられると思います。

誰もが切っていいカードのはずなのに、切ってはいけないみたいに思っている人が多いのではないか、ということです。自死以外のカードがまったく見えないということもあるかもしれまんが、義務教育レベルの教育も受けられていないとか、よほど社会から隔絶した生活でもしていないかぎり、そういうことは稀ではないでしょうか。

もっともこういうのは和歌山にかぎらず、田舎ならどこでもこういうとこはあるとは思います。つまりはムラ社会です。ムラ社会とか封建社会というのは、個人の意見を尊重する社会とは真逆の社会です。誰でも何を言ってもいいし、(法にふれたりしなければ)何をしてもいい、おかしいと思えばたった一人でも堂々と主張していい。「自死以外のカード」を切る人を増やすためには、そういう人が増えていくことが必要なのではないでしょうか。

最近はだいぶ改善されてきましたが、町議会なんかですと未だにホームページで議事録も公開されておらず、町役場まで見に行きますと、住所氏名にはじまって、何のために議事録を見るのかといったことまで書かされることがあります。自殺と何の関係があるのかと思われるかもしれませんが、要はそういうところです。

何かよく分からない、自分とは関係のないところで社会が動いているのではないかとか、そういった意識が「自分が言っても仕方ない」とか「自分が言っても意味がない」につながり、ほんとは他にカードがあるのに、自死というカードを選ばせる一因になっていやしないだろうか、と思うわけです。

一部の人たちだけが役場にようしてもらえるとか、そんな風に思われていたのでは、本当に困ったときでも「役場に言っても仕方ない」になってしまうのではないでしょうか。それが別に役場でなくても、役所でも民間の支援団体でも、自分の身の回りの人たちでも、同じことです。カードゲームなら相手の手札が分からないのが当たり前ですが、もし相手の手札が分かれば、最善のカードを自信を持って切れるはずです。


と言うわけで、今月はこれぐらいにしておきます。ただいろいろ書きましたが、実際のところ、行政の対策だけではなかなか難しい問題なのかもしれません。しかし行政としては、自殺する住民の割合が高いというのは最優先レベルでとり組むべき課題でしょうし、住民からしても、何とも複雑な気持ちになります。少なくともまた微増傾向になっているのですから、今までとは違う対策を考えていく必要があるのではないでしょうか。

今月はちょっと重い感じのメルマガになりましたので、最後にちょっと話題を変えまして、耐久高校ですが残念ながら1回戦で敗れました(泣)。試合内容も、選手はおそらく「もっとできたのに」と思われるような感じのものだったんじゃないかと思いますが、でも負けた中央学院はベスト4まで進みましたし、何より、耐久も応援団賞を受賞しました。

先月号で地元の盛り上がりがほんとに凄いというのを記事にしたわけですが、全国レベルでみてもそうだったんだろうなと思います(笑)。勝てはしませんでしたが、ほんとに明るい話題を提供してくれて、それだけでも胸はってほしいという気持ちです。これも先月号でも書きましたが、夏の県大会がほんとに楽しみです。それではまた来月~

※次号は5月10日発行です。

有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
https://arikaina.com
arikaina@gmail.com
〒649-0111 和歌山県海南市下津町方187-10

参考=
和歌山県「令和5年版環境白書」
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/032000/envplan/hakusho_d/fil/R05kankyohakusyo.pdf
耐久高校硬式野球部「応援団のみなさん、おめでとうございます!」
http://baseball-club.com/taikyu/info/%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E5%9B%A3%E3%81%AE%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%95%E3%82%93%E3%80%81%E3%81%8A%E3%82%81%E3%81%A7%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%94%E3%81%96%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81/

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